大人の脳に必要なもう一つの成分「イチョウ葉エキス」のはなし
物覚えが悪くなったことや、うっかりしていることは「脳が不健康な状態」であるといえます。
そこで、脳の健康を保つために効果的なイチョウ葉エキスをご紹介します。年齢を重ねるにつれて「新しいことを覚えられなかったり」「ついうっかりしてしまったり」することはありませんか…?
脳は全身の酸素消費量の約20%を消費している中枢器官であり、脳を健康に保つためには脳へ新鮮な酸素を送り続ける必要があります。また、新鮮な酸素を送り続けるためには血管のしなやかさ(血管粘性)を保つことが必要になります。今回は、血管のしなやかさを保つための成分である「イチョウ葉エキス」についてご紹介します。
「生きた化石」とも呼ばれる脅威の生命力「イチョウ葉」
イチョウは2億5千万年前から存在している千年以上の樹齢をもつ生命力の高い長寿木で、中国では「生きた化石」ともいわれる自生のイチョウが残っており、恐竜の生息していたジュラ紀に最も栄えていたといわれています。イチョウの原産国は中国で、平安時代に仏教とともに日本へ移送されたと考えられています。
また、イチョウ葉を乾燥させてアルコールで抽出された成分のことをイチョウ葉エキスといい、その成分の効果を最初に発見したのは1960年代のドイツで、血流改善作用についての研究結果が発表されました。そのため、脳の血流改善にも役立つため思い出す力にも繋がると考えられます。
イチョウ葉エキスに含まれる健康成分と作用
1. フラボノイド
黄色の色素でポリフェノールの一種です。フラボノイドはビタミンPとも呼ばれ、毛細血管を強化するという特徴的な働きを持ち、血行促進の効果があるとして、イチョウ葉エキスが注目されるきっかけともなった栄養素です。
イチョウ葉エキスには30種類ものフラボノイドが含まれており、そのうち2つのフラボノイドが重なった「二重フラボン」が6種類も存在しています。こちらは血液循環効果が他のフラボノイドと比較して約3倍も高いといわれています。
そのため、フラボノイドの積極的な摂取がしなやかな血管をつくることに繋がっており、脳をはじめとする毛細血管をひろげ、血行促進につながります。
2. ギンコライド
イチョウ葉エキスのみに含まれる7大栄養素※のひとつ「ファイトケミカル」の一種です。ギンコライドには強力な抗酸化作用をもち、脳細胞を活性酸素から守る働きがあるといわれています。
ギンコライドには血液成分のひとつである「血小板」が固まることを抑制し、血栓ができるのを防ぐ効果があります。
※7大栄養素…炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、ファイトケミカル
「イチョウ葉エキス」の認知機能改善効果
記憶力を含めた認知機能の低下は、認知機能が正常の範囲内である方でも日常生活に様々な不具合を招き、生活の質を下げてしまいます。そのため、健常者の認知機能を維持することは、生活の質の改善や健康の維持に繋がるものと考えられます。
ある研究では、60~70歳のブラジルの男性中高年者を対象としてイチョウ葉エキスを80mg/日、8ヵ月間継続摂取させた結果、集中力を要する注意力・情報処理・論理的思考能力、手指の巧緻性を要する実行機能(計算力、理解力、精神統制力など)に対して有意に効果が認められたとされています。
別の研究においては、55~79歳のオーストラリアの男女を対象として、イチョウ葉エキスを120mg/日、12週間継続摂取させた結果、記憶の長期保存と想起(思い出す力)が対照群と比較して有意に高くなったことが報告されています。
まとめ
年齢を重ねるごとに何もしないと脳は衰えてしまいますが、脳を守る健康成分「イチョウ葉エキス」を摂ることで脳の血管もしなやかに保つことに繋がります。
1日の摂取推奨量はイチョウ葉エキスで120mg~240mgといわれておりますが、全てを食事から摂取することは難しいため、必要に応じてサプリメントを活用することもおすすめです。
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西原 彩(にしはら さやか)
大阪出身/奈良在住の「ザ・関西人」で健康番組/クイズ番組が大好き。大学で学んだ心身の健康学や栄養学を活かしながら『あたまナビ』ナビゲーターとして活躍中。
何事にも負けず嫌いな性格から、「あとだしジャンケンゲーム」で最高記録を出すことに没頭中。