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あなたの周りにもいるかも?誰もが他人事ではない「認知症」

牟田 悠(むた はるか)
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「認知症」という言葉自体はよく耳にしますが、そもそもどのような病気なのか知っていますか?

若く元気なうちはあまり意識しないかもしれませんが、誰にとっても他人事ではないのが認知症。気づかないうちに身近な人が発症しているかもしれません。そこで今回の記事では、認知症の主な症状や早期発見の目安となるチェックリストをご紹介します。

そもそも「認知症」ってどんな病気?

「認知症」とは、さまざまな要因により脳のはたらきが低下することによって、記憶や判断力などに障害が起こり、日常生活を送るうえで困難が生じる病気です。認知症はいろいろな種類がありますが、日本では脳の神経細胞が減少し、脳が萎縮していく「アルツハイマー型認知症」が最も多いといわれています。

認知症になると、脳がダメージを受けることにより、次のような症状が引き起こされることが多くなるようです。

  • 新しいことを記憶できず、ついさっき聞いたことさえ思い出せない(記憶障害)
  • 日付や時間、自分が今いる場所などを把握できない(見当識障害)
  • 家事や仕事などをスムーズに行うことができなくなる(実行機能障害)
  • ささいな変化でも混乱してしまう(理解・判断力の障害)

記憶障害については、加齢による物忘れの増加との違いが気になるところですよね。こちらの記事で詳しく紹介しているのでご一読ください。
この物忘れは認知症のはじまり?それとも単なる物忘れ?両者の違いとは

また脳のはたらきが低下するにしたがって、行動にも変化が見られるようになります。

  • 些細なことでイライラする
  • 今までの日課が面倒になる
  • 誰かに物を盗まれたと主張する

まだ認知症が軽度のうちには、こうした変化を「些細なこと」「ちょっとした勘違い」として見逃してしまいそうですよね。

重要なのは早期発見!暮らしのなかの変化をチェック

原因となる病気の種類によっては、治療をすることにより認知症を改善できる可能性があります。しかし残念ながらアルツハイマー型認知症は、現代の医療では完治させることができません。それでも、早期に発見して適切な治療を受けることによって、症状の進行を遅らせることは可能です。また認知症の一歩手前である「MCI(軽度認知障害)」の段階で治療を始めることができれば、生涯認知症を発症しないというケースもあるそうです。

つまり、認知症の対策には早期発見が何よりも重要ということ。
そこで、公益社団法人「認知症の人と家族の会」が作成している「『認知症』早期発見のめやす」をご紹介します。医学的な基準ではありませんが、暮らしのなかで変化に気づくきっかけになるので、身近な人が当てはまるかどうかチェックしてみてください。

  1. 今切ったばかりなのに、電話の相手の名前を忘れる
  2. 同じことを何度も言う・問う・する
  3. しまい忘れ・置き忘れが増え、いつも探し物をしている
  4. 財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う
  5. 料理・片付け・計算・運転などのミスが多くなった
  6. 新しいことが覚えられない
  7. 話のつじつまが合わない
  8. テレビ番組の内容が理解できなくなった
  9. 約束の日時や場所を間違えるようになった
  10. 慣れた道でも迷うことがある
  11. 些細なことで怒りっぽくなった
  12. 周りへの気づかいがなくなり頑固になった
  13. 自分の失敗を人のせいにする
  14. 「このごろ様子がおかしい」と周囲から言われた
  15. ひとりになると怖がったり寂しがったりする
  16. 外出時、持ち物を何度も確かめる
  17. 「頭が変になった」と本人が訴える
  18. 下着を替えず、身だしなみを気にしなくなった
  19. 趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった
  20. ふさぎ込んで何をするのも億劫がり、いやがる

認知症が進行したとき、家族が気をつけるべきこととは?

もしも家族が認知症になったときには、どういったことが起こるのでしょうか?症状が中期まで進行したときに多い症状と、そのときに介護者が気をつけたいポイントをご紹介します。

1.  伝えたばかりのことを繰り返し聞いてくる

つい苛立って「さっき言ったでしょ」と言ってしまいそうですが、これからはじめて伝えるかのように優しく伝えましょう。自分の名前を忘れられたときも、ショックではありますが落ち着いて教えてあげるのがポイントです。

2.  病院やデイサービスに行きたがらない

きちんとした治療とケアが重要なのに、本人が病人に行くのを嫌がることも。そんなときは、「私が行くから付き添って」などの言葉で説得するという方法があります。また、デイサービスも最初のうちは知らない場所に不安を感じるのか、行きたがらない人が多いそう。短時間でもいいのでできるだけ毎日利用すると、本人も慣れて通いやすくなります。

3.  不要なものを大量に買ってしまう

ひとり暮らしの場合はとくに、訪問販売で高額な商品を買ってしまったり、高齢者を狙った詐欺に遭う場合があります。そのため、多額の現金を家に置いておかない、通帳や貴重品は預かっておくなど、家族が金銭の管理をすることが重要。「成年後見人制度」を利用することもできます。

4.  トイレに失敗する

症状が進行すると、尿意をコントロールできず失禁するなど、排泄のトラブルも出るようになります。そのため、できるだけ軽度のうちに、時間に余裕をもってトイレに行く習慣をつけておくのがいいのだそう。ひどい場合は、専門家に相談して尿漏れパンツやおむつなどの利用を検討することも必要です。

まとめ

家族が認知症になったときには、地域の社会福祉の手を借りることもできます。
それでも大変なことが多いので、早くから予防を心がけ、早期発見に努めることが大切です。自分自身や家族について、普段から変わったことがないか気をつけるようにしましょう。少しでも違和感を覚えたら、できるだけ早めにかかりつけの病院で相談するようにしてください。

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フリーライター

牟田 悠(むた はるか)

立命館大学大学院文学部日本文学専修前期課程修了。フリーライターとして、関西圏を中心に活動中。
質のいい記事をよりスピーディーに書き上げられるよう、脳の働きや集中力に関する情報にアンテナを張っています。