「すぐ忘れる」のは物忘れ?それとも 認知症の始まり?両者の違いとは
こんにちは。『あたまナビ』ナビゲーターの和田です。
早速ですが、皆さんは物忘れに悩まされていませんか?
もしくは、ご家族やご友人など周りの方で、最近物忘れが激しくなった方はいらっしゃいませんか?
「あれ?何しにきたんだっけ…」
「あの人の名前ってなんだっけ…」
「昨日の晩御飯は何を食べたっけ…」
ちなみに私は、こういったことが頻繁にあります。
そして、同時に「これは単なる物忘れ?それとも認知症のはじまり?」という不安にも襲われるわけです。
ただの物忘れと認知症。この両者の違いとは一体何なのでしょうか?
自分で判断できるものなのか、それとも専門家に判断してもらった方が良いのか…。
ということで、今回は「老化による物忘れ」と「認知症による物忘れ」の違いについて、お伝えしたいと思います。
「老化による物忘れ」と「認知症による物忘れ」の違い
「老化による物忘れ」と「認知症による物忘れ」は記憶に関わる症状という点では、一見似ているようにも感じられますが、その性質は似て非なるもの。指田医院のホームページでは、物忘れと認知症の違いについて下記のように述べられています。
老化が原因で起こる「物忘れ」は、行為の一部や事柄の一部を忘れるのに対して、認知症による物忘れは、体験したことそのものを忘れ、物忘れをしている自覚がないのが特徴です。忘れる度合も徐々にひどくなります。
端的に言いかえると、
●老化による物忘れ⇒「部分的に思い出せなくなる」
(例)昨日の晩御飯のメニューが思い出せない。人の名前や漢字が思い出せない。
●認知症による物忘れ⇒「体験全体の記憶がなくなる」
(例)晩ごはんを食べた記憶がない。同じことを何度も聞く。
ということになります。
下記に「老化による物忘れ」と「認知症による物忘れ」の特徴や違いを表にしてまとめましたのでご覧ください。
老化による物忘れ | 認知症による物忘れ |
物忘れの自覚がある | 物忘れの自覚がない |
体験の一部だけ忘れる | 体験自体を忘れる |
ヒントをもらえば思い出せる | ヒントがあっても思い出せない |
判断力の低下は見られない | 判断力が衰えている |
日常生活に支障はない | 日常生活に支障がある |
こうして比べてみると、改めて全く性質が違うことがわかりますね。
ちなみに私の場合は、少なくとも忘れてしまった自覚は、はっきりとあります。
つまり、老化が原因の「物忘れ」だと推察することができます。
(内心ほっとしたものの、どちらにしても「老化」という言葉もできれば受け入れたくはないです、、、)
このような違いが生まれるのは、そもそも「忘れる」という事象が発生するメカニズムが違うからです。
ここからは、両者のメカニズムを見ていきたいと思います。
「老化による物忘れ」のメカニズム
まず、物忘れを語る上で、記憶力とは何であるかを知らなければなりません。
『記憶力は「引き出す力」で決まる!記憶力アップにつながる「引き出す力」の鍛え方』の記事でもお伝えしましたが、
つまり、記憶力とは脳内に蓄積された膨大な情報の中から特定の情報を「引き出す力」なんです。
年をとればとるほど、私たちの記憶の量は膨大になっていきます。すると、その中から必要な記憶を「引き出す」ことは当然難しくなっていきますよね。その結果、発生する現象がいわゆる「物忘れ」なんです。
つまり、老化による物忘れは脳の中から必要な情報を「引き出せなかった」状態ということになります。
「認知症による物忘れ」のメカニズム
では、認知症の場合はどうなのでしょうか?
認知症の中でも特に多いアルツハイマー型認知症は、脳の萎縮が原因の1つとされています。脳内に「アミロイドβ(ベータ)」というタンパク質が蓄積し、「アミロイド繊維」として脳に沈着することで、記憶を司る「海馬」という部分を中心に脳組織が萎縮してしまうのです。
その結果、認知機能の低下に繋がり、体験が海馬に記憶されないケースが発生します。
つまり、認知症による物忘れは体験したという事実が脳内から「抜け落ちる」ことによって発生する症状ということになります。
ちなみに、「ロスマリン酸」という成分が、認知症の原因の一つであるアミロイド繊維の形成を抑制すると言われているということをご存じでしたか?
さらに、アミロイド繊維を分解する効果をもつというデータも発表されています。
ローズマリーやスペアミントなど、シソ科の植物に多く含まれていますが、日常生活の中で摂取する機会はあまり多くない成分なので、サプリメント等で効率的に摂取していくことが推奨されています。
(参照:【大阪大学 森下竜一教授監修記事】今話題の脳の健康に役立つ成分「ロスマリン酸」とは?)
まとめ
以上のことからわかるように、認知症は自覚しにくいという特徴があります。
それでも正しい知識を身につけていれば、早い段階で気づき改善することができます。
ご家族やご友人など、周囲の人たちと一緒に知っておくことができれば、さらに気がつける可能性が高まります。
今回の記事をぜひ周りの人とも共有して、ご自身や身近な方の日常生活を振り返り、みなさんで健康な生活をつくっていきましょう。
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和田 憲児 (わだ けんじ)
広島出身、大阪在住、京都勤務。趣味の音楽から派生して、人の”無意識”に働きかける物事に興味。『あたまナビ』ナビゲーターとして、無意識に頭に入ってくるような「分かりやすい」「伝わりやすい」記事をつくります。