コロナ太り解消しよう!脳から食べ過ぎを防ぐコツ
こんにちは、あたまナビです。
今年は新型コロナウィルスの感染拡大の予防の為、自宅にいる時間が多く、自宅での食事を楽しんでいる方は多いのではないでしょうか。現代は食べ物にあふれ、グルメ特集をしているメディアを見かけない日はありません。終息の見えないコロナウィルスの不安と戦っていることから、生き残るための本能で食への関心が高まっているからかもしれませんね。
ライターの私も世間でいう「コロナ太り」を経験しました。本来食事とは、私たちが生活に必要なエネルギーを摂取するためのもの。必要以上を超えて食べ過ぎるとカロリーの摂りすぎで太ってしまいます。私たちが必要以上に食べてしまうのはなぜでしょうか。今回の記事では、その理由と食べ過ぎを防ぐコツをお伝えします。食欲の秋が来る前にぜひ実践していただきたい内容となっています。
美味しさは脳が判断する
食べ物を「美味しい!」と判断するのは、舌でしょうか。実は舌で感知した情報は脳に運ばれ、「美味しい」「甘い」「苦い」などの味覚は脳で判断されています。味の情報は、脳の「第一味覚野」という部位に届けられ、味の性質や強さが識別されます。チョコレートを例にすると、「あまい!」と判断するのは第一味覚野です。[※1]
その後「第二味覚野(眼窩前頭皮質)」とよばれる部位で「これは、私の好物のチョコレートの味だ!」と認識し、その次に「扁桃体(へんとうたい)」に情報が伝わります。
扁桃体とは、側頭葉の内側にあるアーモンド形の神経細胞で左右対称に位置して、扁桃体は過去の記憶をためている「海馬」と隣接しており、扁桃体に届いた情報は海馬にたまっている過去の記憶と照らし合わせて、感じている味が快か不快であるか、体に安全か否かなど判断します。そして「快感」と判断すると、「報酬系」とよばれる複雑な神経回路を通り、興奮や快楽を伝える「ドーパミン」という神経物質を放出します。 [※2]
食べる事は「快楽」「本能」というアクセル ではブレーキはあるの?
ドーパミンは別名「快楽ホルモン」とも呼ばれます。脳は気持ち良さを感じている時の環境や周囲の条件などと結びつけて記憶(学習)します。過去にあった快感の経験に類似の条件がそろうと「報酬系」は刺激され、最初に経験した快感の時よりも短時間でドーパミンが放出され興奮します。
大好きなドーナッツの写真やCMをただ見るだけで、食べたことを思い出しドーパミンが放出され興奮してしまうのです。そのため空腹かどうかにかかわらず食べ物に手が伸びてしまうのです。
また飢餓の時代を生き抜いてきた人類の脳は、もしもの時に備えて「積極的に食べよう」という本能(アクセル)が強く、食べることをやめるためには強い意志(脳のブレーキ)が必要です。私たちの脳にブレーキはあります。では脳のブレーキを正しく働かせるためにはどうすればよいでしょうか。
誘惑に負けない!前頭葉が脳の「ブレーキ」になる
人間の脳の中には、他の動物と比べて発達している「前頭葉」があります。前頭葉はあたまの前方にあり、人間らしさを司る部位です。動物では持っていない「未来を予測し現在の行動を制御する」という行動は、私たち人間が得意とします。これはこの前頭葉が発達しているからできることです。
この得意を活かして、食べたいという本能に負けない為の「工夫」を加えることができます。まずは次の工夫をしてみては、いかがでしょうか。
工夫1 誘惑(食べ物)を視界から遠ざける。
工夫2 「もし、食べたい衝動が来た時には○○する」という台本(ルール)をきめておく。
1に関しては、アメリカの心理学者が幼稚園児を対象に行った研究で「目の前のマシュマロを我慢できるか」という課題に対して一定時間、我慢できた子は目を閉じたり、マシュマロの皿を自分から遠ざけたりと食べ物を見ないような工夫で、回避をしていたそうです。[※3]まずは衝動的にならずに食べ物を見ない、食べ物を隠すといった工夫をまずはしてみましょう。
2は「if then(イフ・ゼン)プランニング」と呼ばれる、起こりそうな誘惑に対する対処をあらかじめ決めておく方法です。決めたルールに反すると脳がストレスを感じるため、ルールを無視できなくなるという脳の性質を利用します。達成が難しいといわれている目標に対して、この方法は成功の確率を3倍も高めてくれるそうです。[※4]たとえば、寝る直前にどうしても食べたくなったら水を2杯飲む、または夜9時以降は食べないというルールを決めて試してみてはいかがでしょうか。食べ過ぎを防ぐことができるかもしれませんね。
他にも自分の体の状態を把握すること、食べている環境を少し変える事などが食べ過ぎを防ぐコツです。ついつい食べ過ぎてしまう人は意識して生活を変えてみませんか。
「ニセの食欲」にだまされない!その食欲は体からのSOSかもしれません
「お腹が空いた」という感覚は、不足している特定の栄養素や水分を欲しがっているサインかもしれません。例えば果物が食べたいと思う時は、カリウムが不足しているので「カリウムを摂ってほしい」という体からのSOSかも。
おなかが空いたなと思っても、本当は水分が足りていないだけかもしれません。少し水を飲んで、30分ほど様子をみてはいかがでしょうか。
口寂しいは、本当に寂しい?セロトニンは足りていますか?
なんとなく食べ物を口に入れたいことを、口寂しいと表現しますね。これは本当に寂しさを感じ、気持ちが不安定になっているかもしれません。
脳の中にはたくさんの神経細胞があります。神経細胞同士で情報の受け渡しをする時に使われる脳内物質の事を神経伝達物質といいます。代表的な神経伝達物質には、喜びや快感を伝えるドーパミンと、気持ちを安定させるセロトニンがあります。
セロトニンは気分を落ち着かせるホルモンですので、気持ちが不安定な時には、セロトニンの原料となるトリプトファンを含む食材を意識して摂取してみてはいかがでしょうか。トリプトファンはマグロの赤身、チーズ、大豆製品、バナナなどから手軽に摂取ができます。
→要注意!炭水化物を制限するダイエット 幸せホルモンの原料を忘れずに
ながら食べはNG!脳に食べている音を伝えましょう!
私たちの大脳の両側(両耳あたり)には「側頭葉」という聴覚を司る部位があります。食事をしている際に自分が咀嚼(そしゃく)している音を十分に側頭葉に伝えることで、自分がどれくらい食事を摂っているかを脳が理解します。
そのため、ヘッドフォンで音楽を聴いていたり、スマホやTVを見ながら食事をすると、自分の咀嚼している音が聞こえなくなり、脳が「食べている」認識が弱まります。そのため食事中にヘッドフォンで音楽を聴いたり、スマホやTVを見たりはNGです。
まとめ
いかがでしたか?食べる「アクセル」と食べ過ぎないようにする「ブレーキ」はどちらも私たちの脳の中に存在します。食べる誘惑に負けない強い「あたま」を作っていきたいですね。
次回も、読むと「あかるくたのしくまえむきな」気分になる記事をお届けします。
参考
[1]おいしさの科学 山本隆https://www.jstage.jst.go.jp/article/kisoron1954/27/1/27_1_1/_pdf
[2]おいしさか ら過食へ 脳内報酬系の働き 山本隆https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/45/1/45_1_21/_pdf
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谷口由希子(たにぐちゆきこ)
岡山出身、東京在住。陰ヨガのようなゆるいストレッチをこよなく愛する。左手で拭き掃除、週末は公園にランニングにでかけて、体と脳を鍛えています。