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要注意!炭水化物を制限するダイエット 幸せホルモンの原料を忘れずに

谷口 由希子
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セロトニンの原料となるトリプトファンを含む食物。バナナ、ナッツなど。

こんにちは、あたまに関する情報をお届けする「あたまナビ」です!
新型コロナウイルスの影響で、運動不足でポッコリお腹、タプタプな二の腕が気になっている方は多いと思います。「増えた体重をなんとかしたい!」とダイエットを始める方がいらっしゃるのではないのでしょうか?

古今東西の様々なダイエット情報が流れる中で、「炭水化物(糖質)制限ダイエット」は、長く支持されているようですが、実は幸福感を感じるホルモンの原料を減らすことにつながるといわれています。

今回は脳とダイエットの視点から、大切な栄養と摂取の仕方をご紹介します。

幸せホルモン、安心感の物質「セロトニン」 その原料とは?

人間の脳の中にはいくつもの神経伝達物質というものがあり、「脳内ホルモン」と呼ばれています。その中に心の動きに関するホルモン「セロトニン」があります。セロトニンは体内では消化管粘膜に約90%、血小板に約8%、脳内神経に約2%が存在します。脳にはわずか2%と微量ですが、セロトニンは他の神経伝達物質であるドーパミン(喜び、快楽など)やノルアドレナリン(恐怖、驚きなど)をコントロールし、精神を安定させる働き[1]があり、「幸せホルモン」とも呼ばれています。不足すると精神不安、うつ病といった心の健康に影響を及ぼすといわれています。

セロトニンの原料は「トリプトファン」という必須アミノ酸です[2]。トリプトファンは脳内で、ナイアシン、ビタミンB6、マグネシウムとともに「セロトニン」を生成します。トリプトファンは体内では合成できない必須アミノ酸であるために、トリプトファンを多く含む食物(肉、マグロの赤身、牛乳、チーズ、大豆製品、ピーナッツ、バナナ[3])から摂る必要があります。

しかしセロトニンを増やすためにはただトリプトファンを含む食物を多く摂るだけではなく、摂取したトリプトファンをいかにして脳内に届く状態にするかが大切になってきます。セロトニンの原料であるトリプトファンを多く含む食物 バナナ、ナッツ、チーズなど

2.炭水化物制限をすると、トリプトファンが脳に届きにくくなる!?

トリプトファンの摂取だけを優先した「高たんぱく質」の食事は、脳の活動にはベストではありません。高たんぱく質で、炭水化物を抑えた食事を続けると、意外ですが脳内のセロトニンとトリプトファンの量は減少してしまいます[4]。それはタンパク質を大量に摂取しすぎると、チロシンといった他のアミノ酸も合成されてしまいます。血液脳関門(けつえきのうかんもん)という脳内への物質の移動を制限する箇所(バリア)で、通過の際にトリプトファンとそのほかのアミノ酸で競争が起きてしまい,トリプトファンが脳内に取り込まれにくくなる状態ができます。

その解決には炭水化物(パン、白米)の摂取によりインスリンを分泌させることが良いそうです。なぜ、インスリンが役に立つのでしょうか?

トリプトファンを脳内に通過させるには、炭水化物摂取がカギとなる。

炭水化物は悪者ではない インスリンが良い働きをするときも

炭水化物を摂取すると膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンは血糖値を下げるホルモンであることはよく知られていますが、体の中に脂肪を取り込む特性もあります。そのため炭水化物を制限するダイエットが流行する理由といえるでしょう。しかし、脳と心の健康のためには極端に制限せず適度に炭水化物を摂取した方が良いといえます。インスリンは脂肪だけではなく、トリプトファン以外の競争する相手であるチロシンなどのアミノ酸が筋肉へと取り込むからです。その結果として、血液脳関門におけるアミノ酸同士の競争が緩和され、トリプトファンは血液脳関門を通りやすくなります。[4]

世間で流行している炭水化物抜きダイエットは、インスリンの分泌が減り、セロトニンの原料となるトリプトファンが脳内に行き届きにくい状態をつくるため、要注意です。特に女性はセロトニンの生成スピードが男性に比べて遅いので、セロトニンが不足しやすいといえます。

セロトニンが不足すると、人はどうなるのか?

心の動きに関するホルモンである「セロトニン」は低下することで、ドーパミン(喜び、快楽など)やノルアドレナリン(恐怖、驚きなど)などの情報をコントロールのバランスが崩れて、不安やうつ・パニック障害などの精神症状を引き起こすといわれています。

また「セロトニン」は起きている時にすっきりした意識にさせる、痛みの感覚を抑制させるなど様々な働きがあります。セロトニンが少なくなると寝起きが悪くなり、些細なことで痛みを感じやすくなります。脳の中でセロトニンを一定に保つことは、毎日楽しく過ごすためには必要です。

体重を落とすことに注力しすぎて、脳に必要な栄養まで不足させないように気をつけて、これから訪れる秋に備えましょう。

女性はセロトニンの生成スピードが男性に比べて遅い。要注意

まとめ

 ダイエットの敵といわれている炭水化物は実は、インスリンの分泌と非常に関係が深くが、脳の健康に役立っているとは、意外ですね。暑さがまだまだ続きますが、栄養のバランスを考えてすごしましょう。

次回もあかるく、たのしく、まえむきな毎日を過ごしていただくための情報をお届けします

参考

[1] 厚生労働省 eヘルスネット セロトニン

[2][3] わかさの秘密 トリプトファン

[4]中野信子著 成功する人の妄想の技術「脳」を使いこなす最新テクニック KKベストセラーズ

 

 

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