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年齢によるもの忘れと認知症の違いって?

米田真奈美
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超高齢社会といわれている日本では、2020年の時点で65歳以上の約6人に1人が認知症有病者であるというデータがあります。さらに、2025年には5人に1人が認知症になると予測されています。そのような中、加齢に伴って、自分や家族も「認知症」になってしまうのではないかと不安な気持ちになる方も多いのではないでしょうか?

現代の医学では、残念ながら認知症を完全に治すのは難しいといわれています。しかし日頃から生活のなかで意識することで、発症のリスクを抑え予防することができるのです。

 

1.物忘れと認知症の違いとは?

物忘れと認知症は似ていますが、はっきりとした違いがあります。
具体的な症状などから比べてみましょう。

例えば、「朝何を食べましたか?」という質問に対して、「食べたことは覚えているけどメニューが思い出せない」という場合は、「もの忘れ」。「朝食を食べたかどうかわからない」場合は認知症の可能性があります。
わかりやすく言うと、体験の一部を忘れているだけなら「もの忘れ」。体験の全てを忘れてしまうのが「認知症」です。

そして、決定的な違いとして認知症は「脳の病気」です。
直接的な原因としては脳の神経細胞が死滅し、働きが低下することで、記憶や判断力の低下などが起きます。生活の中で記憶が抜け落ちていて全てを忘れてしまったり、日常生活に支障が出てしまったりというような症状があります。また、本人に自覚が無いため、探し物などに対して「家族が盗った」など他人のせいにしてしまうという特徴がみられます。

認知症は症状が進行すると、時間や季節感がずれてしまう「見当識障害」や、計画や順序だった行動が困難になったりする「実行機能障害」、状況が認識できないために思いがけない感情を表す「感情表現の変化」などを発症してしまうことがあります。

これに対して、「もの忘れ」は自分の行動に対して自覚症状があるため、自分で解決しようと努力します。例えば探し物の場合は、部屋にあることは認識しているので自分で部屋から探そうと行動します。物忘れは脳の老化のために、覚えていることを思い出すのに少し時間がかかってしまっているだけなのです。日常生活への支障は殆ど無く、指摘された時に、「うっかり」と言える範囲のものという特徴があります。

 

2.認知症予防に役立つ習慣

①日記をつける

簡単な短い内容でも構わないので、継続的に日記をつけてみるのはいかがでしょうか。眠る前に1日を振り返って思い出してみましょう。なかなか思い浮かばない場合は、カレンダーや予定表を見て思い出すだけでも構いません。1日かけて脳に取り入れた情報を、書くために引き出すことによって、しっかりと脳に定着させることができます。

これは理想的な脳トレで、実際に認知症の治療にある回復療法でも用いられています。長い期間続けることによって自分の感情の変化に気づいたり、過去と現在を比較してみたりすることができるため、脳にある感情を司る扁桃核に良い刺激を与えることができます。

 

②昨日の献立を思い出す

思い出す訓練として効果的なのは、近い時間の記憶を思い出してみることです。まずは昨日の献立を思い出してみて書いてみましょう。そうすることで加齢とともに衰える「近時記憶(近い時間の記憶)」を鍛えることができ、認知症予防になるそうです。慣れてきたら一昨日の出来事を書いてみるのも良いかもしれません。日記と併せて、習慣化するのもおすすめです。自分の気に入っているペンやノートを使ってみるなど、楽しく続けられるよう工夫することも大切です。

 

③ウォーキング

寝たきりでいると認知症になりやすく、適度にウォーキングをした方が認知症になりにくいことが、最近の研究によって証明されました。高齢者やアルツハイマー型認知症の人は海馬(記憶を司る部位)などで脳の血流の低下が見られます。しかし、歩くことによって神経が活性化し、脳が正しく働くために必要な血液の流れを良くことができます。血圧があまり上がらない程度の無理のない速度で大丈夫です。これは高齢者だけでは無く、若い人でも同じ効果が得られます。

④人との関わりをつくる

日常のなかで知的な刺激を脳に与えるために、コミュニケーションを積極的にとるようにしましょう。例えば友達と出かけるためには、普段着ないような服を着ておしゃれをしたり、約束して合うために事前に計画を立てたりします。このような行動は脳に様々な刺激を与えます。地域の交流の場や、趣味の合う友達と積極的に関わりを持つようにしましょう。ただし疲れすぎないように注意です。

 

⑤睡眠時間をしっかりとる

脳は睡眠中に記憶を定着させています。そのため睡眠時間が短いと記憶が定着せずに忘れやすくなってしまいます。シンガポール国立大学医科大学院の研究結果によると、睡眠時間が1時間短くなるごとに認知機能も低下していることがわかりました。脳の老化を進めないためにも質の良い睡眠を7時間はとることが理想的です。

ベッドに入る1時間前に入浴し体温を上げておくと、ちょうど眠る頃に体温が下がり眠りに入りやすくなります。また、前にリラックスして眠りにつけるよう、ゆったりとした音楽を聞くなど工夫してみましょう。

 

まとめ

認知症と物忘れは似ていますが明確な違いがあります。

しかし、脳の機能を維持するためには、どちらも普段の生活のなかで意識することが大切です。今日から行えるものがたくさんあるので、是非生活の中に取り入れてみてください。

 

 

▼参考資料

認知症患者はどれくらい?|公益財団法人 生命保険文化センター (jili.or.jp)

 

脳神経内科医がおすすめ!「5行日記で脳を蘇らせよう」 – 転ばぬ先の杖 (brain-gr.com)

 

歩行は、なぜ認知症予防につながるのか?|地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所 (tmghig.jp)

 

「人との交流」が認知症予防のカギになる!?|100年人生レシピ|認知症を考えるみんなのためのメディア (nissay-mirai.jp)

 

昨日の朝ごはん覚えてますか? 「昨日日記」は、加齢で衰える “近時記憶” を鍛え直してくれる。 – STUDY HACKER|これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディア

 

加齢に負けるな!物忘れを予防する鍵は生活習慣にあり!? | アサヒント! | 研究開発 | アサヒグループホールディングス (asahigroup-holdings.com)

 

 

 

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