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  • 脳の活性化には外国語学習がおすすめ! 何歳になってもチャレンジしよう

現代では脳へ刺激を与えて活性化させたり、また認知症を予防したりするために「脳トレゲーム」が人気です。同じように、実は外国語の学習が脳を活性化させるという事実はご存じでしょうか。
外国語の学習は脳にとって良い刺激となるうえ、他にもさまざまなメリットがあります。
ここでは外国語の学習が人の脳に与える良い影響を紹介します。外国語の学習に興味がある方、これから始めようかなと考えている方、昔は一生懸命勉強していたけれど今はしていないという方は、参考にしてください。

外国語の学習は脳を活性化させる! 何歳になってもトライしよう

日本は単一民族で島国のため、外国語の学習に対して控えめだと言われています。外資系企業に就職するなどでない場合、学生時代に学んだ外国語を忘れてしまっても生活での不便はないでしょう。
ただし、外国語の学習にはさまざまなメリットがあります。そのため仕事で使わないから第2言語は必要ないと切り捨ててしまうのは、とてももったいないこと。外国語の学習は、いくつになっても遅いということはありません。思い立ったが吉日で、ぜひ今日から始めてみましょう。

外国語の学習が脳に与える良い影響5つ

外国語を学習すれば海外旅行がしやすくなるうえ、異文化を理解しやすくなり、交流相手の範囲も広がります。自分の世界が大きく広がり、自国の文化に対しても興味・理解が深まるでしょう。
そしてさらに、以下の5つメリットがあります。
・海馬や大脳皮質が発達する
・認識の柔軟性が高くなる
・語彙や思考が豊かになる
・高齢になっても脳が衰えにくくなる
・問題があるときに感情的にならず冷静に判断できる

海馬や大脳皮質が発達する

外国語の学習は、脳を活性化させることがわかっています。スウェーデンのルンド大学での研究によると、外国語を学んだグループは学んでいないグループに比べ、海馬や大脳皮質の発達が認められました。
他にもイギリスやアメリカの大学でも外国語の学習によって脳が構造的に変化すること、機能が向上することを研究結果で報告しています。

複数の言語を操る人の方がそうでない人に比べ、学力・記憶力・情報処理のスピードなどが高かったということです。

また、2021年に、日本の東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻の酒井教授も研究結果を発表しています。それによると、約2カ月という短期間でも言語野や感覚野の脳活動が変化することを発見、言語学習中に記憶にかかわる海馬の左右と前後の領域が、異なる働きを持つと実証しました。

参考:東京大学「語学留学の脳科学的効用-外国語の習得によって言語野や感覚野の脳活動に変化-」

認識の柔軟性が高くなる

2つ以上の言語を話せる人は、1つの言語しか話さない人に比べて認識の柔軟性が高くなります。これは予期しない状況に直面したときや新しい環境に入ったときなどに、強いストレスを受けずに流せるということ。反応が素早く認識も柔軟なので、効率よく物事に対処できます。

違う言語を話すことで異なる文化やものの見方も同時に学習。そのため物事に対する認識が柔軟になり、混乱したり慌てたりせずに対処できるのでしょう。
そして、複数の言語を話す人には、マルチタスクが得意という特徴があります。マルチタスクは複数の作業を同時にこなす能力のことです。

外国語で会話をしようとするとき外国語で言いたい単語やフレーズを思い出し、正しい文法で文を組み立てるという2つの作業を行う必要があります。
2つ以上の言語を使うために脳の回線も複数ありますが、外国語を話すことでその脳の回線を行ったり来たりすることに慣れていき、それと同時にマルチタスクができるようになるのです。

語彙や思考が豊かになる

外国語には母国語にはないさまざまな語彙があります。

たとえば、四季がある日本では「色」を表す言葉が豊富です。花から取った「すみれ色」や「藤色」植物から取った「若草色」、鳥から取った「うぐいす色」などがあります。しかし、北に住むイヌイットには「氷(と雪)」に関する呼び方が、何と99語も存在。お互いにそれを知れば、色や氷に対する見方は多少なりとも影響を受けるでしょう。

このように、両方の言語を話すことで語彙力が強化。その結果、思考も豊になります。

高齢になっても脳が衰えにくくなる

複数の言語を話す人は、高齢になっても脳が衰えにくいと言われています。これは恐らく、言語に合わせて複数の回線を使い分けていることによる恩恵です。
ただしこれに関しては、幼少時から2つ以上の言語を話す人だけでなく、年齢を重ねてから言語学習をした人にも当てはまります。
学習スタートは早いに越したことはないのですが、遅いからダメということはありません。いくつになっても外国語の学習を諦めないようにしましょう。

また外国語を学びということは、母語である日本語の文法を学ぶことにもなります。子供の時からバイリンガルの人は違いますが、大人になってから新たな言語を学ぶためには、文法を母語で理解しておく必要があります。
母語の文法を理解し、考える機会は普段なかなかないものです。
外国語を学ぶことで、日本語についても考えるので脳が活性化されていくのです。

問題があるときに感情的にならず冷静に判断できる

何かの問題が起こったとき、母国語とは別の言語で考えた方が合理的で冷静な判断を下せると、2012年に心理学の研究結果が報告されました。
参考:WIRED「外国語で考えるほうが合理的:研究結果」

母国語以外の言語で物事を考えるとき、ひとまず自分の感情を遠ざけていられるためです。一度感情を抜いてしっかりと考えるというプロセスを経るため、慎重に対応できやすくなります。
感情的に対応すると、問題解決からは遠ざかることが多いもの。しかし第2言語を学習していれば、感情的な判断から距離を置けるようになるのです。

まとめ

外国語の学習をすれば、脳の活性化などさまざまなメリットを得られることがわかりました。
脳が刺激を受けて活性化すれば、普段の生活もより快適でスムーズにいくことが増えるはずです。
最近はコロナの規制もなくなり、多くの外国人旅行者や留学生が戻ってきたので、外国語を話す機会も増えてきました。
いつになっても遅いということはありません。外国語の学習をスタートさせ、脳にしっかり刺激を与えていきましょう。

【参考URL】
外国語の学習が脳を健康に?!
海外大学が証明「外国語の勉強」の意外すぎるメリット。13か月続けると “海馬が発達” するらしい。
語学留学の脳科学的効用
-外国語の習得によって言語野や感覚野の脳活動に変化-
外国語が話せると脳にいい7つの証拠
実は外国語を学ぶ人が享受している「驚くべき恩恵」

 

 

 

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関目いちこ