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人生の達人!シニア世代が読む川柳「ついうっかり!最近の失敗」

油井 康子(あぶらい やすこ)
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五・七・五のリズムで気軽に作れる川柳は、近年さまざまなコンテストが開催されるなど、ますます注目されています。当連載では、テーマに沿った川柳をお寄せいただき、編集部が「これは!」と思った句をご紹介します。今回は皆さんの失敗談について。クスッと笑えるものから、「自分も気を付けよう」と身が引き締まるものまで、バラエティー豊かな句をお寄せいただきました。

今回のテーマ「ついうっかり!最近の失敗」

気を付けているつもりでも思わぬ失敗をして、「やってしまった!」なんてこと、誰にでもありますよね? そのときは自分に呆れたり落ち込んだりしても、川柳にすればみんなで笑える立派なネタに!今回も「あるある!」と共感できる句が勢ぞろいしました。

作者の声:頭のどこかから昔の記憶が蘇ってくるものの、結局名前はでてこず。そんな状況もかえって面白く感じます。「ほら!あれあれ?」と言うと、意図するものが通じることから相手が同年代と分かることも。
【編集部より】
目の前に映像は浮かんでいるのに、どうしても名前がでてこない……。年を重ねると頻度が増える「あるある」ではないでしょうか。同じ思い出を共有している同年代との会話なら「ほら!あれあれ?」というあいまいな言葉でも、なんとなく状況が想像できることも多いですね。でも、やっぱりその名前はでてこないことがほとんどだったりします(笑)。もどかしくも楽しい一場面を、軽快な語調で爽やかに詠んでいただきました。
作者の声:「あの俳優さん誰だっけ?」と思い、例えば、木村拓哉さんの場合は、「き…ら…や…あ!きむらたくやだ!」といったように一字づつ思い浮かんできます。サプリメントを適切に飲むことによって年を重ねることを恐れなくなりました。
【編集部より】
思い出せないからとあきらめず、一文字ずつ粘り強く思い出そうとする作者の方の姿勢に脱帽! 編集部一同も「こんな手があるのか!」と感心しきりでした。今度名前が出てこないことがあれば、ぜひ真似させていただこうと思います。サプリメントを飲むことで年を重ねるのが怖くなくなったとのこと、こちらも参考になるご意見でした。
作者の声:さあ入ろうとしたら、湯船に湯が入っていない。20分経ってもういい頃だろうと思ったのに寒いやんか!というやるせない失敗を句にしました。
【編集部より】
せっかく温まろうと思ってお風呂場に向かったのに、湯船は空っぽ……。服を脱いだあとだと余計に「やってしまった!」の思いが強くなりますよね。編集部からも「同じことをやってしまったことが…(笑)」との声があがり、申し訳なく思いながら、つい笑ってしまいました。どうか、お風邪など召されぬように。
2日前の出来事です。主人が家族共用の自転車に乗ったあと、いつもの場所に鍵が見当たらず、コートやかばんの中を探したのですが出てきませんでした。その様子を川柳に詠んだのですが、今朝出かけようと思って自分のコートを着るとポケットに鍵が。なんと、私の失敗でした。
【編集部より】
自転車の鍵というのは、なぜあんなに頻繁に行方不明になるのでしょうか。自分が悪いのではなく、鍵が勝手に隠れているんじゃないか? と思うこともしばしばです。「かくれんぼ」という一言、まさに言い得て妙ですね!なんとか顔出してほしい! という悲痛な叫びが聞こえてきそうでした。ご主人が乗ったあとだから、てっきりご主人が別の場所に置かれたのかと思いきや、作者の方の失敗だったとは。そんな後日談にもほっこりした編集部一同でした。
物をしっかり読み、理解しないといけないと思いました。自分自身が情けなかったです。
【編集部より】
予定の日を間違えたときのガッカリ感、とてもよく分かります。バタバタしていると目の前のことに集中できず、情報も斜め読みしがち。とはいえ、しっかり予定を確認しても、さらには手帳に書いていても、なぜかこういうことは起こるときは起こるんですよね。特売日は明日とのことですので、どうか気を取り直して、明日もう一度おでかけくださいね!

今回のお題はとくに共感度が高く、編集部一同も一句読み上げるたびに「あるあるー!」とうなずきっぱなしでした。皆さんは、最近どんな失敗をしたでしょうか? ソツなく過ごされている方を羨ましく思う一方、失敗はみんなで盛り上がれるネタになると開き直るのも大切なのかもしれないと思ったのでした。川柳をお寄せいただいた皆様、本当にありがとうございました!

――次回のテーマは「これだけは譲れない座右の銘」です。どうぞお楽しみに!

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フリーライター

油井 康子(あぶらい やすこ)

大阪生まれ、京都郊外在住。京都の大学を卒業後、会社員などを経て2012年頃よりフリーライターとして活動。自宅で常に数本の原稿を並行して執筆しているため、仕事部屋や頭の中の整理整頓術を日々模索しています。