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加齢とともに睡眠は変化する!年齢と眠りの不思議な関係

藤田 幸恵(ふじた ゆきえ)
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年齢を重ねるにつれて、「なんだか寝つきが悪くなった」「夜中に目が覚めてしまう」「昔ほど長く眠れない」…そんな睡眠に関する変化を感じていませんか?

睡眠は、健やかな心身を保つうえで欠かせないもの。たとえば、慢性的な睡眠不足は、意欲の低下や記憶力の減退にも関わることがわかっています。
(参考:厚生労働省e-ヘルスネット『睡眠と生活習慣病との深い関係』

その一方で、年齢とともに「睡眠のかたち」が変わっていくのもまた事実。そこでこの連載では、加齢によって変化する睡眠に焦点を当てながら、自分に合った睡眠習慣についてじっくり考えてみたいと思います!

監修:花園大学社会福祉学部 小海宏之教授

寝てばかりいる赤ちゃん、眠れない大人…この違いは何?

睡眠が変化するといわれても、いまいちピンと来ない方もいらっしゃるかもしれません。

確かに、10年前との違いはわかりにくいでしょうが、たとえば赤ちゃんの頃と比べてみるとどうでしょう。ちょっと極端な話ではありますが、昼夜関係なく眠る赤ちゃんと同じくらい寝るのは難しいですよね。

そうした睡眠時間の長さだけでなく、年齢を重ねるにつれて次のような変化が現れるといわれています。

睡眠のリズムが前倒しになる

まずひとつめの変化。実は、睡眠が始まる時間が若い頃と比べてズレてきます。

夜は早く眠くなり、朝は早く目が覚めるようになってきたと感じることはありませんか? そんなふうに早寝早起きになるのは、加齢によって体内時計が変化するためだと考えられています。また、睡眠のリズムだけでなく、体温調節やホルモン分泌など睡眠に関わるからだのリズムも、年齢を重ねるにつれて前倒しになっていきます。
(参考:厚生労働省e-ヘルスネット『高齢者の睡眠』

深い眠りが減っていく

さらに、「深い眠り」が減少することも加齢による変化のひとつ。

睡眠中は浅い眠りと深い眠りを繰り返しているのですが、加齢とともに深い眠りが減ることがわかっています。そのため、「夜中に何度も起きてしまう」「ぐっすり眠った気がしない」「少しの物音でもすぐに目が覚めてしまう」などのお悩みが増える結果に…。
(参考:厚生労働省e-ヘルスネット『高齢者の睡眠』

女性では更年期に眠りが浅くなる

そして、閉経前の5年間と閉経後の5年間にあたる更年期には、多くの女性が不眠の悩みを抱えます。のぼせや発汗など、更年期特有の症状が原因で深く眠れないことも。閉経後は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)という、その名の通り睡眠中に呼吸が止まってしまう病気のリスクが高まるともいわれています。
(参考:厚生労働省e-ヘルスネット『女性の睡眠障害』

こうした睡眠の変化に、どう対処していけばよいのでしょう?

睡眠が変化するのはみんな同じ!年齢に合わせた適度な眠りを

心身の健康状態に関係なく、睡眠の変化は誰にでもおとずれるもの。年齢を重ねても質のよい睡眠を十分にとるためには、年齢とともに睡眠が変化していくことをまずはしっかり受け止めることが大切です。

たとえば、次のようなことには注意したいところ。

  • 朝早く目が覚めてしまったけれど、何もすることがないので二度寝する
  • 生活リズムが変わらないように、眠くても我慢して若い頃と同じ時間に寝ている

こうしたいつもの習慣が、あなたの眠りの質をますます低下させているかもしれません。

個人差はありますが、一般的に、年齢を重ねるにつれて睡眠時間は短くなってくるといわれています。眠気を感じたら布団に入る。早く起きた朝は、無理して寝ようとせずに読書や散歩など好きなことを楽しんでみる。そんなふうに、睡眠の変化に合わせて上手に習慣を変えることができれば、よりリラックスした毎日を過ごせそうですね。

こんな変化にはご注意を!

とはいえ、睡眠に関する変化のなかには、病気のサインが隠れているなど注意したいものも。たとえば、寝ているときの激しい「いびき」は、睡眠時無呼吸症候群の前触れであることも考えられます。

また、手足のピクつきやムズムズ感、歯ぎしりにも注意したいところ。しっかり眠ったはずなのに、昼間に異常に眠たくなるなど、生活のなかでちょっと工夫したくらいではおさまらないときは、早めに病院を受診して必要な治療を受けましょう。
(参考:厚生労働省健康局『健康づくりのための睡眠指針 2014』

まとめ

寝ているあいだ、私たちはただ空白の時を過ごしているわけではありません。

睡眠は、日中働いた脳を休ませ、記憶を整えつつ、疲れたからだやこころを回復させる大切な時間です。そのため、睡眠の質が低下したり、十分な睡眠時間を確保できない状態が続いたりすると、全身の健康に悪影響を及ぼすことも…。

健康を保つうえで欠かせない睡眠習慣は、年齢による影響を強く受けています。体力が低下したり、肌のハリが失われたりといった加齢による変化と同じように、睡眠も大きく変わっていくもの。

寝る子は育つといいますが、どんなに年齢を重ねても、睡眠と健康は切っても切れない深い関係で結ばれています。より健やかな毎日を過ごすために、あなたのいつもの睡眠を振り返ってみませんか?

【監修者プロフィール】
小海 宏之 教授
花園大学 社会福祉学部 臨床心理学科
公認心理師/臨床心理士/日本老年精神医学会認定上級専門心理士/精神保健福祉士
1986年関西大学社会学部卒業、2007年関西大学大学院社会学研究科博士課程前期課程修了、藍野病院臨床心理士、花園大学社会福祉学部准教授などを経て現職。

 

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編集者・ライター

藤田 幸恵(ふじた ゆきえ)

医学書の出版社で編集者として勤務後、フリーランスの編集者・ライターに。医師をはじめとする専門家の取材や監修のもと、医療・健康・美容に関する記事を多数執筆。からだやこころの不思議について考えること、専門書や論文を読むことがとても好きです。