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脳を鍛えて、生涯現役を目指そう!脳を10歳若返らせるために今できることとは?

須永 貴子(すなが たかこ)
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年々ひどくなる物忘れに「もうやだ…」としょんぼりため息をついている人は少なくないのではないでしょうか。かく言う筆者も、固有名詞を言いたいのに「ほら! あの人! あの監督の映画でデビューした俳優の!」と、ぼんやりしたヒントを投げて、周囲を困惑させることが多々あります。そんなときにインターネットで検索するとすぐに正解にたどり着けはしますが、記憶としては定着せず、数日後にはまた「あの俳優誰だっけ…?」と同じことを繰り返しています。

正直、加齢に伴う記憶力の低下は仕方がないことだと受け入れてしまっていました。ところが、「図解 10歳若返る! 簡単に頭を鍛える法」(高島 徹治 著/三笠書房)によると、そうやって諦めてしまうことが、脳にとって最悪なもっともよくない向き合い方らしいのです。著者の高橋徹治氏自身、社会保険労務士といった91もの資格取得を開始したのは53歳を過ぎてからだったとのこと。覚える力も、考える力も、記憶する力も、年齡に関係ないそうです!

では、なぜ年々物忘れがひどくなる気がするのでしょう? その答えはシンプルです。60歳は20代の人よりも3倍長く生きているので、脳内に蓄積されている情報も3倍。そのため、記憶が引き出しづらくなるのは当たり前なのだとか。そう言われると、ちょっとホッとしませんか?

平均寿命が男女とも80歳を超えた日本社会で老後の人生を楽しむには、健康はもちろん、「生涯現役の頭」が必要だと高橋氏は訴えます。本書には、氏が実践している「頭を鍛えて10歳若返る法」がわかりやすく解説されているので、そのいくつかを紹介したいと思います。

右脳を活性化するためのヒント

頭を鍛えるために大切なのは右脳を使うこと。高島氏はそれを「右脳活用記憶術」としました。

  •  買い物で買うものを、文字ではなく絵でイメージすると、右脳が活動する
  • 文字の情報を読んで覚えるだけでなく、覚えた部分を枠で囲んで図形化すると、イメージで記憶を引き出しやすくなる

また、大切なことを記憶するときは声に出して復唱したり、手書きをしたり、五感(視覚、聴覚、味覚、触覚、臭覚)に関連付けると忘れにくく、また、思い出しやすくなるそうです。

自分が覚えたことを誰かに話すことも、実用的な記憶法だそうです。仕入れたつもりの知識があやふやな場合、その部分でうまく話せずつっかえてしまいます。そこをもう一度、調べ直すことで、正しい知識が身につくのだとか。そういえば子どもの頃は、学校での出来事や、友達に言われたことを、家に帰って親に逐一報告していましたが、大人になってからはいちいち話さなくなりました。子どもの頃の記憶をいつまでも覚えているのは、人に話していたからかもしれません。

付箋を「ちょい貼り」して右脳を刺激

高島氏が推奨する最強ツールが「付箋紙」です。気になることを「ちょい」とメモができて、どこにでも「ちょい」と貼れるのが付箋の特徴。この「ちょいメモ」と「ちょい貼り」のテクニックを使って、ものを思い出す機会を頻繁につくることで、脳の働きが活性化するそうです。

たとえば「クラウドソーシング」という、意味のわからない言葉に出会ったとします。「あとで調べよう」と思っただけでは、その言葉すら思い出せなくなってしまいます。そこで、すぐさま付箋に「クラウドソーシング」とメモをします。時間ができたら意味を調べて、付箋に100字以内で説明を書き出します。それを目につくところ(トイレや書斎の壁など)に貼ればOK。たしかに、ネットで調べて読むだけよりも、「自分で説明を手書きする」ほうが、しっかりと記憶できそうです。

その付箋を、付箋保存用のノートに移し、いつでも見返すことができるようにすることも大切だそうです。言うなればそのノートは新しく覚えた知識の宝箱。付箋だからといってジャンル分けする必要はなく、日付順にペタペタと貼っていったほうが、その付箋をメモしたときの状況や天気なども蘇り、右脳を刺激することになるそうです。

まとめ

本書はその他にも、生活習慣を少しだけ工夫するだけで、みるみる頭が鍛えられる方法や、人生の後半を豊かにする読書法なども解説します。

脳の機能というテーマには、やや小難しいイメージがありますが、この本は1ネタ(1コツ)が見開きで完結しているので、とてもとっつきやすい!全体を通して読むと、以下のような、脳のタフさや優秀さも伝わってきます。

  •  大切な記憶は、必ず脳のどこかに保存されている(→脳内を整理整頓してきっかけを与えれば必ず思い出すことができる)
  • 記憶力は年齡に関係ない(→学生時代も英単語を覚えるために繰り返し単語帳を見たり、手で書いていた。今もそうすれば覚えられるはず)
  •  いらない記憶や、嫌な思い出を忘れるのは、人間の脳の素晴らしい力(→覚えなくていいことは脳のスペースを空けるためにも覚えていてはいけない)

これらを心の(脳の?)片隅に置いておくだけで、何かを思い出せないときにも落ち込まず、ポジティブな気持ちになれそうです。

最後に。個人的なことになりますが、筆者はプロフィールにも書いたように、人の名前と顔を覚えるのがとにかく苦手…。それが原因で、社会人として、フリーのライターとして、たくさんの失敗をしてきました。いまさらかもしれませんが、高橋氏が本書で伝授する「人の名前と顔を覚えるコツ」を実践してみたいと思います。まずは名前の連呼から。そしていただいた名刺の裏に日付や相手の特徴をメモして、きちんと整理整頓します!

「図解 10歳若返る! 簡単に頭を鍛える法」(高島 徹治 著/三笠書房)2019年3月出版

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須永 貴子(すなが たかこ)

国際基督教大学卒。群馬県出身、東京都在住。映画を中心に、エンターテインメントに関する記事を雑誌やウェブ、映画パンフレットなどで執筆中。人の顔と名前を覚えられないことが大のコンプレックスです。