ポジティブとネガティブの違いとは?ポジティブになる方法と脳のこと(後編)
樫村茉莉
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前編では「ポジティブとネガティブの違い」についてお伝えしました。後編では「ポジティブな思考が脳に及ぼす影響」「ポジティブな思考になる方法」について説明します。
過去に起こった出来事は不変のものであると思われがちです。
しかし現在の思考によって、過去の出来事すら変えることができることをご存じでしょうか。
例えば「受験に失敗した」という体験を持っているAさんとBさんがいたとします。
Aさんは、
「あれは最悪の失敗だった。おかげでその後の人生はつらいことばかり」
と、大きなダメージとしてとらえているとしましょう。
一方で同じ体験をしたBさんは、
「あのときはすごく落ち込んだけれど、その後がんばって今の生活がある。あの失敗は挫折を知る良い経験になった」
と、むしろプラスの体験としてとらえているとします。
「受験に失敗した」という事実は一つであっても、それをどうとらえるかを決定し、異なった体験にできるのは今の自分です。
つまり今の自分の思考を変えることで、過去の出来事すらプラスの体験にも、マイナスの体験にも変えられるということになります。
「前向きになりたいけれど、どうしてもネガティブな考え方をしてしまう」
という人もいるでしょう。
ネガティブなとらえかたに偏ると、やる気が起きにくいため、ポジティブな思考が必要なときもありますよね。
そこで、ポジティブな思考へ切り替える方法をいくつかお伝えしましょう。
①太陽光を浴びる
太陽光を浴びることで、幸せホルモン「セロトニン」を増やすことができます。
セロトニンが不足するとさまざまな体調不良が起きやすくなり、気分が沈みがちになります。
セロトニンを分泌させるには、太陽光を浴びることです。
「太陽光は充分浴びている」という人は、次の方法を試してみましょう。
②脳にポジティブワードを言い聞かせる
「騙されやすい脳」に、言い聞かせる方法です。
さて「騙されやすい脳」とはどういうことでしょうか。
例えば、あることを「できない」と思ったとします。
すると脳は自動的に「できない」理由を作り始めるのです。
「できない」
なぜなら、
「自分には能力がないから」
「時間がないから」
というように。
勝手に理由を作り出して「できない」が大きくなり、それが揺るがない事実のようになってしまいます。
では「できない」を「できる」で塗り替えたらどうでしょうか。
「できる」
なぜなら、
「努力すれば実現できる範囲のこと」
「自分には潜在能力がある」
などなど。
脳は勝手に「できる」理由を作り始め、「できる」が大きく育ち、事実のようになっていきます。そして思考が変われば行動も変わり、結果も変わるのです。
「できない」を「できる」に塗り替える方法は、次の通り。
「できない」と頭に浮かぶたびに「できる」という言葉をかぶせましょう。口に出しても良いです。
言葉の力は思っている以上に大きいもので、次第に「できない」が消えていくでしょう。
このときの注意点はかぶせる言葉を「できないということはない」などにしないこと。
「できない」を打ち消しているつもりが、「できない」が入っていることで、「できない」が強く脳にアピールされてしまいます。
脳に言い聞かせる方法は簡単で、自分だけで完結する方法なので、ぜひ試してみてください。
ただし打ち消す必要のない不安(危険回避)もありますので、判断を間違えないようにしましょう。
ネガティブな思考になりすぎていると感じたら、まずは笑顔で過ごすことを意識してみましょう。
「笑う門には福来る」と言います。
今、一瞬一瞬の積み重ねが未来を創っていくことを忘れないでくださいね。
▼参考文献
著:篠原佳年
『快癒力』サンマーク出版 (2000/6/1)