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【意外】魚の知能は想像を超える!足し算・引き算を理解して仲間とおしゃべりも

たなべようこ
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「魚の知能はどのくらい?」
「魚はどんなことができるの?」
この記事ではこのような疑問にお答えしていきます。

「イルカが賢い」というのは有名ですが、彼らは哺乳類。
魚類はというと……あまり賢い印象はないかもしれません。
実は、魚の知能は私たちが想像するよりはるかに高いことがわかっています。この記事を読めば、魚に対する印象がガラリと変わってしまうかも。
ぜひ最後まで読んでくださいね。

魚は足し算引き算ができる!知能の高さを証明

ドイツのボン大学で行われた実験では、魚を訓練すると足し算や引き算ができるようになることが証明されています。

魚に計算を教える


引用画像
出典:scientific reports:Cichlids and stingrays can add and subtract ‘one’ in the number space from one to five※₁

研究では「訓練がしやすい」「飼育が簡単」などの理由で、シクリッドとエイという2種類の魚を用いて実験が行われました。研究チームは、いったいどのような方法で魚に計算を教えたのでしょうか。
具体的には上記画像のような装置を使用し、次のような手順で計算ルールを学習させました。

1.装置の扉にしるしを付け、マークを5秒以上見せる
2.しるしのついた扉を開けて奥に進ませる
3.2種類の選択肢のうち、正解の方に近づいたらエサを与える

本番の実験では「1分以内に近づいたマーク」を魚が選択したとみなして、どのくらいの正答率を得られるかを検証しました。

計算ルール

実験で使用した計算ルールは以下のとおりです。
青色マーク:足し算(プラス1する)
黄色マーク:引き算(マイナス1する)
マークの位置や形はルールに関係がなく、考慮しないこととします。
たとえば、最初の扉に青いマークが3個あれば、足し算なので正解はマーク4個。黄色いマークが3個あれば、引き算なのでマーク2個が正解、というわけです。

実験結果

訓練に合格し、本番の実験に参加できた魚の数は次のとおり。

シクリッド:8匹中6匹
エイ:8匹中3匹

残念ながら、訓練の時点で脱落した魚もいました。
訓練に合格し、実験までこぎつけた上記の魚たちで実験を行ったところ、正答率は次のような結果になりました。
なんと、シクリッドが約7割エイは約9割正解しています。
魚はマークの形や位置に惑わされることなく、計算ルールに基づいて正しく足し算や引き算をする能力があったのです。
魚にこのような芸当ができるとは! 知能の高さに驚かされますよね。

鏡を理解する魚!知能の高さがすごい


大阪市大の研究チームは、ホンソメワケベラという指の大きさほどの小さな魚が、鏡のしくみを理解できることを発見しました。※₂
その様子を順を追ってご説明していきます。

魚が鏡のしくみを理解

ホンソメワケベラを鏡の入った水槽に入れると、最初のうちは鏡に映る自分の姿を見て、仲間の魚に対する反応を見せます。鏡に映っているのは自分でなく、他の魚だと思っているのでしょう。
しかし、その後しばらくすると、魚は自分と鏡の像が同じ動きをすることに気付き、それを確かめるような動きに変わっていきます。
これだけでもすごいことなのですが、実験はまだまだ続きます。

鏡に映った汚れを取ろうとする魚

研究チームが、鏡に慣れさせた魚の体に茶色いマークを付けて水槽に戻すと……
魚は鏡を見てマークに気付き、近くにある物に自分の体をこすりつけて、汚れを落とそうとするしぐさを見せました。
そしてあらためて鏡の前に行き、マーク部分の汚れが落ちたかどうか、体の向きを変えつつ鏡に映して確認していたのです。
そのような動きを見せたのは「マークを付けた魚」かつ「鏡のある水槽に入れた魚」だけだったので、単なる習性ではないと思われます。
つまり、魚は鏡に映っているのが自分であると認識していることが証明されたのです。
鏡のしくみを理解できる生物は少ないため、魚は相当知能が高いと考えられます。

記憶力も抜群!魚の知能の高さは本物

魚の知能の高さは、その記憶力からもうかがい知ることができます。
具体例をいくつかみてみましょう。
・ホンソメワケベラは11ヵ月前の怖い経験を記憶し、再び同じ状況になると回避しようとする※₃
・テッポウウオは人間の顔を識別できる※₄
・グッピーは、最大15匹の仲間をほぼ覚えている※₅
・レインボーフィッシュは1年前に学習した、ネットの脱出方法を覚えていた※₆

魚は1年近くもの長い間、物事を記憶しておく能力を備え持っていたのです。

おしゃべり上手な魚たち

魚の知能の高さには圧倒されるものがありましたが、魚たちの多くは仲間とおしゃべりもできます。
Ichthyology & Herpetology(2022/1/20付)※₇によると、調査対象である175科の魚のうち、3分の2が音声を発して仲間とコミュニケーションをとっているそうです。
海の中は、意外とにぎやかなのかもしれません。

ここで、イサリビガマアンコウの声を聴いてみましょう。

イサリビガアンコウの声

イサリビガマアンコウの低音楽器のようなこの音は、浮袋の筋肉※₈を使って出しています。
その他、歯を使ったり体を動かしたりして音を出すケースもあるとか。
魚たちは音を出すことによって、危険を知らせたり食べ物のありかを教えたり、縄張りを主張・交尾相手への求愛などをしていると考えられています。
魚は頭が良いだけでなく社交性もあるなんて、驚きですよね。

まとめ

もともと魚類は知能が低いと考えられてきましたが、近年脳の研究が進んでさまざまなことがわかってきました。
魚の知能は今や「イルカ並み」とも言われています。

この記事を読んで「おもしろい」と思ったら、ぜひ他の記事もチェックしてみてくださいね。

◆参考文献

※₁https://www.nature.com/articles/s41598-022-07552-2
※₂https://style.nikkei.com/article/DGXMZO35597650Q8A920C1000000/
※₃https://www.researchgate.net/publication/336922621_Long-term_memory_retention_in_a_wild_fish_species_Labr
oides_dimidiatus_eleven_months_after_an_aversive_event
※₄http://wired.jp/2016/07/20/face-can-recognise/
※₅https://www.wellbeingintlstudiesrepository.org/cgi/viewcontent.cgi?article=1074&context=acwp_asie
※₆https://www.wellbeingintlstudiesrepository.org/cgi/viewcontent.cgi?article=1074&context=acwp_asie
※₇https://bioone.org/journals/ichthyology-and-herpetology/volume-110/issue-1/i2020172/Evolutionary-Patterns-in-
Sound-Production-across-Fishes/10.1643/i2020172.full
※₈https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/158/

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