毎日暑い日が続いていますね。暑くなると気を付けたいのが熱中症ですよね。
実は熱中症は重症化すると、脳に大きなダメージを与えます。
重症化させないためにも、熱中症についてしっかり理解を深めましょう。
熱中症のメカニズム
私たちの体は熱を作り、外に放出することで、体温調整をしています。
体温が上がると、全身に血液を送ったり、汗をかいたりすることで、体は体温を下げようとします。
ところが、体中に血液が送られることで脳が血流不足、汗をかくことで水分・塩分不足の状態となってしまい、熱中症を引き起こすのです。
熱中症が脳に与えるダメージ
熱中症が重症化すると、脳神経に障害が残る確率が高くなります。
以下のような後遺症を引き起こす可能性があります。
- 中枢神経障害
- 高次脳機能障害
- えん下障害
- 小脳失調
- 失語
- 歩行障害
- パーキンソン症候群
卵を熱すると白身が固まり、二度ともとに戻らないように脳神経は一度ダメージを受けると、元に戻ることはありません。
熱中症になってしまったら
では、熱中症になってしまったら、一体どのような対処をすればよいのでしょうか。
熱中症はⅠ度からⅢ度で分類され、度合によって対処方法が異なります。
Ⅰ度(軽度)
めまい、たちくらみ、生あくび、こむら返り、大量の発汗が症状として現れます。
すぐに以下のような処置を行いましょう。
- 涼しい場所で安静にする
- 体を冷やす(首の付け根、脇の下、足の付け根)
- 水分・塩分補給(スポーツドリンク・経口補水液など)
Ⅱ度(中等度)
頭痛、吐き気、おう吐、倦怠感、虚脱感、集中力・判断力の低下などの症状が出ます。
Ⅰ度の処置を行っても改善しない、気になる症状があるなど気がかりがあれば、医療機関を受診するようにしましょう。
Ⅲ度(重症度)
意識障害やけいれん発作が起こります。
この場合は命にかかわるので、入院や集中治療が必要です。
すぐに救急車を呼んでください。
熱中症にならないためには
日常生活で意識をすることで、熱中症は防げます。
服装
以下に気をつけて、服装を選ぶとよいですよ。
- 吸水性、速乾性のある素材
- ゆったりした余裕のあるデザイン
- 白や淡い色の服
- 肌着を身につける
- 帽子を着用する
素材は例えば、麻や綿がおすすめです。
麻は通気性がありますし、綿は速乾性がないですが吸水性があるので、暑い夏にはピッタリです。
また、夏は肌着を身につけない方もいるかもしれませんが、実は肌着を身につけた方が、熱中症の対策になります。
汗が肌着に吸水されて、体温を下げられますし、肌着と服の間に空気が入るので、熱気を防ぐことが可能です。
場所
屋内であれば、冷房をつけた涼しい部屋へ。
屋外であれば、日陰のある場所や日傘を利用するといいでしょう。
日本政府の対策
2023年、日本政府は気候変動適応法の改正を決定しました。
2024年夏までの施行を目指しており、気候変動適応法の改正がされると、熱中症警戒アラートのさらに上の熱中症特別警戒アラートが出されるようになります。
熱中症特別警戒アラートが出されると、クーリングシェルターとして指定されている、冷房の効いた公共施設や商業施設で休むことが可能です。
積極的に利用していきましょう。
各自治体でクーリングシェルターとして開放している場所を提示しているので、ぜひ調べてみましょう。
水分・塩分補給
運動などで汗をかいた時は、こまめな水分・塩分補給を心掛けましょう。
飲み物は、0.1〜0.2%の食塩と糖類を含んでいるものが適しています。
塩分だけでなく糖分も取り入れる理由は、腸管で水分の吸収を促進するからだそうです。
スポーツドリンクや経口補水液が一番ふさわしいですね。
まとめ
熱中症は重症化してしまうと、脳にダメージを与えて意識障害やけいれん発作を起こすだけでなく、中枢神経障害などの後遺症が残る可能性があります。
熱中症は、誰でもなってしまう可能性のある病気です。
自分は大丈夫だと油断しないで、少しでも違和感があったら、無理せず体を休めましょう。
熱中症の対策をしっかりしながら、暑い日を元気に乗り切りましょう。
【参考文献】
大塚製薬|熱中症からカラダを守ろう
ヒロオカ クリニック|熱中症はまれに後遺症を残す:脳の病気に進むことも
時事メディカル|後遺症を残さない熱中症の応急処置と治療~重症化で高次機能障害や死亡も~第5回
運動時の熱中症予防に効果的な服装とは?
政府「熱中症特別警戒アラート」新設へ 法改正案を閣議決定