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「物忘れがひどい」「おでかけがおっくう」〜日常生活で困ったときの対処〜

油井 康子(あぶらい やすこ)
ありがとうと思った人の数36

<メンバー>佐々木さん、大村さん、橋本さん、岡本さん、櫻井さん、幸子さん

当連載では、シニア世代の方にお集まりいただき、体のこと、生き方についてなど、4つの異なるテーマを設けて、お話を伺っていきます。年齢を重ねたからこそ話せる、日々の体験や生き方。「あるある」と共感できたり、「それ真似したい!」と思えるお話が満載です!

<前回までの記事はこちら>
いきいき座談会 その1:いつまでも、元気で健康に過ごすための習慣〜体の変化に備える日頃の心がけとは?〜
いきいき座談会 その2:みんなはどんな脳トレをやっているの?~生活に取り入れている脳トレ~

今回のテーマ:みんな、こんなときどうしてる?

「最近、物忘れがひどい」「若い頃に比べると、おでかけが億劫」などなど、年を重ねたことによるお悩みをお持ちの方も多いと思います。今回は、皆さんの体験談やお悩み解消法を語っていただきました。

「あれ?なんだっけ?」物忘れしたとき、どうしますか?

(司会)皆さん、本日は『あたまナビ』の座談会にお集まりいただきありがとうございます。今回は、年齢を重ねた方なら誰もが心当たりのあるお悩みについて、皆さんの体験談や対処法を伺っていきたいと思います。日頃疑問に思っていることなども、どんどんお話してくださいね。どうぞよろしくお願いします。

全員:よろしくお願いします!

(司会)早速ですが、皆さんは物忘れで困ったことはありますか?

佐々木:食事中、冷蔵庫へ何かを取りに行ったのに、開けた途端に「私、何を取りに来たんだっけ?」ということがあって(笑)。昨日のことなんですけど、それも2回。

幸子:私もありますよ!でも、食卓に戻ると思い出しませんか?

佐々木:そうそう、戻ったら思い出して、また冷蔵庫へ(笑)。

大村:私も同じく~。なので、最近はパッと思いついてすぐ動くのではなくて、「◯◯を取りに行くんだ」って言い聞かせながら開けるようにしています。気をつけていても、忘れるときは忘れるんですけどね(笑)。

佐々木:スーパーへ買い物に出かけたのに、何を買いにきたのか忘れることも。私たちが若い頃にはお店に並んでいなかったような食材が、今はたくさんあるでしょう。覚えきれないですね。メモをしても、それを無くしてしまったり。

(司会)メモは必須ですよね!メモを無くしたときはどうしますか?あきらめるのでしょうか?

佐々木:最初の一文字だけでも覚えていたら、それを手がかりに一生懸命思い出しますね。店員さんに「色は緑で、形は丸いものなんですけど、どこにありますか?」なんて聞くのは恥ずかしくて。

櫻井:たしかに、なんだかクイズみたい(笑)

佐々木:「ちゃんと覚えられるかしら」って、日々ドキドキしていますよ(笑)

橋本:実は数年前、私の息子の奥さんが亡くなって、2人の孫のために家事を担当しています。自分に必要な買い物のことは忘れないのですが、孫から頼まれるものは耳慣れないものが多くて、覚えられないですね。熱中症予防の塩タブレットや、洋服の消臭剤などを頼まれて、商品名を聞いてメモするのですが、佐々木さんと同じく、せっかく書いたメモを家に忘れてしまったり(笑)。

(司会)いろいろな物忘れがでてきましたね。忘れるといえば、「人の名前を忘れた!」ということもあるでしょうか。

櫻井:人の名前も忘れがちですね。だからもう「忘れちゃだめ」なんて思わずに、最初から覚えないことにしています。

佐々木:なるほど!それは新しい発想ですね!

櫻井:以前に「会ったことがある」という記憶があって、顔がわかれば問題ないと思っています。何度も名前をお聞きするのも心苦しいし、間違えたらすごく失礼。間違った名前を呼んでしまうくらいなら、はじめから覚えなくていいのではないしょうか(笑)。会社勤めをしていたときは、人事部に所属していたので、社員の方の名前や部署はすべて覚えていましたが、今は、毎日継続的にお付き合いする方は限られていますよね。なので、顔見知り程度の方の名前は最初からもう覚えないんです(笑)

岡本:昔はパソコンやデータベースといった便利なものはなかったから、人事の方はきちんと社員の名前を覚えていなくてはいけませんでしたよね。会社内で連絡を取り合うにも、内線番号を覚えておく必要がありました。昔に比べると、今は絶対に覚えていなくてはいけないということは減った気がします。私はジムに通っているのですが、顔見知りの名前を忘れてしまうことはしょっちゅうで…。ジム仲間に周りの評判になるほど記憶力がいい方がいらっしゃるので、困ったときにこっそり教えてもらったりしています(笑)。やっぱり、2回お聞きするのは失礼かと思って。

橋本:仕事のことなら覚えていられますね。孫の世話をしながら、結婚相談所の仲人をしているのですが、会員の方の名前やプロフィールは覚えています。それ以前の会社のことも未だに忘れないです。

岡本:仕事で必要なことは覚えておきたいですが、長く生きているといろいろな記憶で頭がいっぱい。「一つくらい忘れてもいい」と思えるくらいが、ちょうどいいかもしれないですね。

(司会)日常のことは忘れがちでも、お仕事に必要という意識があると、案外覚えていられるのかもしれないですね。それ以外のことは、「忘れてもいい」と開き直るほうが楽しく過ごせそうです。

探しものが見つからない!そんなときどうする?

(司会)忘れ物や探し物が多くなった、ということはありますか?

幸子:数年前から、よく探し物をするようになりました。特にお店のポイントカードが行方不明になることが多いです。先日も、あるお店のポイントカードが見つからず、夫に貸したはずだと思って聞いても「返したよ」とのこと。お店でもう一度作ってもらったら、その直後にまったく予想していないところから出てきました。(笑)

橋本:私は一度、敬老パス(編集部注:公共交通機関で利用できる敬老乗車証)を落としてしまったことがありまして。幸い、忘れ物防止タグを付けていたので、人混みのなかでお子さんが手にとって、それを親御さんが交番に届けてくださったということがありました。タグが振動していたので、お子さんの目についたようです。

幸子:忘れ物防止タグは便利ですね~。旅行のときに荷物につけておくと、空港で受け取る際などにアラームを鳴らしてすぐ見つけられます。いろいろなタイプがあるようですので、活用したいですね。

橋本:タグを付けていない場合や、家のなかの探しものは、ずっと探し続けていると見つからないですね。無意識に同じような場所ばかり探してしまうので。先程の「冷蔵庫に取りに行くものを忘れた」というときと同じく、一旦探すのをやめてみると、意外なところから見つかったりします。

(司会)最近は、便利なグッズがあるのですね!それだけ、皆さんが忘れ物に悩んでいるということなのかもしれません。一旦あきらめてみるという方法も参考になります。

「外出がおっくう」という気分への対処法

(司会)「若いころに比べると、出かけるのがおっくうになった」という声をよく聞くのですが、皆さんはいかがでしょうか。

佐々木:外出そのものというよりも、まずは外出の準備が面倒ですね。着替えるのにすごく時間がかかるようになりました。昔は、服や靴、バッグの組み合わせをさっと決めてすぐにでかけられたのに、なぜかなかなか決められなくなってきて

大村:私もそう!あらかじめ決めていればいいのですが、どれを着ていこうかと組み合わせを考えても、全然まとまらないです。

佐々木:そんなときも、くじけずにお出かけしますか?

大村:約束があるときは(笑)。でも、時間がかかりすぎて遅刻してしまうこともありますね。最近は、服の数を減らして、ある程度組み合わせを決めるようにしています。

(司会)あらかじめ服の組み合わせを決めておくと、着替えもスムーズですよね。誰かと約束するというのも、重要な気がします。

橋本:私は、お出かけが面倒とは感じたことがあまりないですね~。仕事の場合、電車で1時間ほどかかる場所でも、1日2往復することもありますし。昔から、ケガや病気をしてもあまり休まず働いていたので、習慣なのかもしれません。

幸子:橋本さんは、ボンヤリしていられない性格のようですね。素晴らしい。約束といえば、近所の友人からの急なお誘いが最近多いですね。お互いに、時間が合えば会うようにしています。お誘いがあるというのは、出かける理由にもなってありがたいです。

岡本:私は、何も約束がなくても1日に1回は外出するようにしています。幸い、家の近所に散歩にちょうどいい公園がありますので。以前、足を骨折して、動けないからと家に引きこもってしまったことがありまして。その際、ちょっと鬱状態になりかけたんです。そのとき以来、「1日1度は青空を見なくちゃ!」と思うようになりました。

橋本:一人で閉じこもっていると、気分が落ち込んでしまったりしますよね。外へ出て、少しでも刺激を受けることが大切だと思います。

まとめ

参加者の方々の体験談は、「あるある!」と共感してしまうことの連続でした。あまり落ち込まず、ときには「まあいいや」と気楽に過ごすことも大切なようです。皆さんの対処法や、日頃の心がけも披露され、会場は大いに盛り上がりました。あなたの日々の「困った!」を解決するヒントになれば幸いです。

参加者の皆さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!

次回のテーマは「笑顔で過ごせる充実した暮らし~あなたの趣味や生きがいはなに?~」です。お楽しみに!

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フリーライター

油井 康子(あぶらい やすこ)

大阪生まれ、京都郊外在住。京都の大学を卒業後、会社員などを経て2012年頃よりフリーライターとして活動。自宅で常に数本の原稿を並行して執筆しているため、仕事部屋や頭の中の整理整頓術を日々模索しています。