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人生の達人!シニア世代が読む川柳「家族との夏の思い出」

油井 康子(あぶらい やすこ)
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毎回、テーマに沿った川柳をお寄せいただき、編集部が「これは!」と思った句をご紹介します。今回のテーマは、「家族との夏の思い出」について。五・七・五のリズムで綴られる夏のひとときをお楽しみください。

今回のテーマ「家族との夏の思い出」

夏休みやお盆の帰省など、大人も子供も家族と過ごす機会が増える季節。家族の恒例イベントがあるという方もいらっしゃることでしょう。今回は、家族と過ごした忘れられない夏の思い出について読んでいただきました。目の前にありありと情景が浮かぶ力作揃いです!

作者の声:夏になるとあちこちのお祭りに父と出かけたものです。父に肩ぐるまをしてもらい、珍しいお店をのぞき込んだり、アメ玉などを買ってもらったりした子供の頃を懐かしく思い出します。
【編集部より】
シンプルな言葉の一つ一つを追っていくと、お父様と過ごされた作者の方の夏の思い出が鮮やかに浮かび上がってきます。いつもより高い場所から眺めるお祭りは、とてもキラキラとして幼心に楽しいものだったのはないでしょうか。肩ぐるまをしてくれたお父様の頼もしさ、優しさも温かく胸に響く一句でした。
作者の声:昨年に続き、今年もプチトマトを植えました。次々と実ができて、青から赤に変わっていく様子が楽しみです。とても可愛いものですよ。
【編集部より】
これから大きくなる小さな青いトマトや、食べごろをむかえた真っ赤なトマト…。色とりどりの実がたくさん成っている様子が目に浮かびます。収穫を前にした作者の方の「楽しみだ」という素直な感想も微笑ましいですね。大切に育てられているのだろうと思います。美味しいトマトがたくさん穫れるといいですね♪
作者の声:4年前の夏、突然大切な家族を亡くしました。その年に見たひまわりの花に、「前を向いて、太陽に向かって明るく生きていかなければ」と勇気づけられ、今も忘れられません。ひまわりの花を見ると、優しかったあの人のことを思い出します。
【編集部より】
突然お別れすることになってしまった大切な家族と、家族を失った作者の方をなぐさめたひまわりの花。「2度と会えない」という言葉には、家族にも、ひまわりの花にも、さらには4年前の夏そのものにも向けられたものなのだろうと推察いたします。悲しみを超えて、なお明るく前を向く、作者の方の健気なお気持ちに胸がいっぱいになりました。
作者の声:孫が甲子園に4回連続で出場しました。特に、妻の誕生日の日にホームランを打ってくれたあの時、妻が泣いている姿を見てこちらまで目頭が熱くなりました。いつまでも忘れられないシーン、うれしかったです。
【編集部より】
お孫さんは野球少年なのかと解釈して拝読しておりましたら、甲子園で4回も勝ち上がる強豪校にいらっしゃったとは!晴れ舞台で、しかもご家族の誕生日にホームランを打たれるというエピソードに、編集部一同大興奮でした。試合を観戦し、ご自分のことのように涙する奥様や作者の方の様子も感動的です。自慢のお孫さんへの思いが伝わってきました!
作者の声:家族で海水浴に行った海岸で、すいか割りをしたものの、うまくすいかを割ることができませんでした。というのも、すいか割りの前に皆がおもしろがってぐるぐる回しすぎて、まっすぐに歩けなかったから。夏の日の楽しい想い出です。
【編集部より】
海水浴の際にすいか割に挑戦してみたものの、すいかを割ることより、目隠しをしてぐるぐる回る面白さが上回ったのですね(笑)。陽気で仲良しなご家族の関係が伝わってくるようです。目を回してフラフラとあらぬ方向に進んでいく様子や、まわりの明るい笑い声まで聞こえてくるようなユーモラスな作品でした。

それぞれの心にある家族との夏の思い出が川柳に込められ、選びきれないほどの力作をたくさんお寄せいただきました。夏は遠い日の思い出が近くに感じられる季節なのかもしれません。「今度帰省したときに昔の話をしてみようかな…」と自分たちの家族にも想いをはせる編集部一同でした。皆さんの夏の思い出はどんなものでしょうか?この夏、素敵な思い出づくりをされる方もいらっしゃるかもしれませんね。ご家族との夏のだんらんの一助になれば幸いです。

川柳をお寄せいただいた皆様、本当にありがとうございました!

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フリーライター

油井 康子(あぶらい やすこ)

大阪生まれ、京都郊外在住。京都の大学を卒業後、会社員などを経て2012年頃よりフリーライターとして活動。自宅で常に数本の原稿を並行して執筆しているため、仕事部屋や頭の中の整理整頓術を日々模索しています。