ポジティブとネガティブの違いとは?ポジティブになる方法と脳のこと(前編)
樫村茉莉
ありがとうと思った人の数16
「ポジティブが良くて、ネガティブはダメなの?」
と疑問を持つことがあるのではないでしょうか。
実はポジティブだけが良くて、ネガティブがダメだということではありません。
ただ不安を抱えたネガティブ思考でいるより、ポジティブ思考でいるほうがより良い未来につながる可能性が高くなると考えられるのです。
そこでポジティブとネガティブの違いについて、ポジティブになるにはどうしたら良いのか、脳の癖を含めて前編・後編の2回でお伝えします。
一つの出来事であっても、とらえ方は人それぞれです。
例えば、出がけに靴下に穴が開いているのを発見したとします。
「ついてない!今日は運が悪い日かも!」
と思うのか、
「出かける前に気づけて良かった」
と思うのか。
一般的に前者のように物事を悪く考えるのがネガティブ、後者のように物事の良い面をとらえるのがポジティブといわれています。
これは考え方の癖、あるいは遺伝的な影響の可能性もあるといわれています。
ポジティブであることが良く、ネガティブは良くないというイメージがあるかもしれません。
しかし、決してネガティブな思考は悪いものではないのです。
ある状況にいるとき、
「もしかしたらうまくいかないかもしれない」
という一見ネガティブのように思える思考は、危険回避能力、自己防衛能力につながります。
またこのような能力を持つ種だけが生存してきたともいわれているため、私たちの遺伝子にはネガティブな思考が組み込まれていることになります。
これは、非常に重要な能力ともいえるのです。
しかし、ネガティブな思考にとらわれてしまうことは良くありません。
ネガティブな思考ばかりにとらわれてしまうと、消極的になり活力を失うことにつながるため、バランスが大切といえるでしょう。
明らかなミスをしてしまったとき、
「でもあれは、××だったからミスとはいえない。自分は間違っていない」
と言い張る人がいたら、どう思うでしょう?
ミスをしたにも関わらず、「前向きでポジティブな人だなあ」と思うでしょうか?
勘違いされやすいのですが、ポジティブは事実を捻じ曲げて解釈することではありません。
事実をきちんと受け止めたうえで、前向きに考えていくことがポジティブな思考といえるのす。
この場合、ミスの原因を考え、このミスを活かして次はさらに良い結果を出すために前向きに取り組むことが大切です。
ネガティブな思考は、危険回避のために備わった重要な能力ですが、とらわれすぎることなく物事を受け止めることも必要です。
失敗や間違いは、人を成長させるチャンスにもなります。同様の出来事をどのように捉え、プラスの出来事と気持ちを切り替えることが成功に導くポジティブな思考といえるでしょう。
後編ではポジティブな思考が及ぼす影響やポジティブな思考に切り替えるための方法についてお伝えします。
▼参考文献
著:篠原佳年
『快癒力』サンマーク出版 (2000/6/1)