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大人になっても頭はよくなる!使えば使うほど活性化する脳のはなし

牟田 悠(むた はるか)
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年をとると物忘れが激しくなるといいますよね。新しい言葉を覚えられなかったり、知り合いの名前を思い出せなかったり、仕事のミスが増えたり。年齢を重ねるにつれて、脳も衰えてきたと感じている人もいるのではないでしょうか?

脳も体の一部なので、ある程度老化していくことはやむをえません。しかし実のところ、知能や記憶力は年をとってもそれほど衰えないのだそう。それどころか、脳内はいくつになっても回復し、成長する部分もあるということが、研究によって明らかになってきています。

年齢を重ねても脳のはたらきを向上させていくためには、一体どうすればいいのでしょうか?まずは、加齢とともに脳が衰えていくメカニズムから確認していきましょう。

心肺機能が衰えると、脳のはたらきも低下していく

 

人体の各部位が活動するためには、酸素が欠かせません。すべての臓器のなかで、もっとも多く酸素を消費しているのが脳。筋肉のように酸素を貯蔵することができず、血液を通して供給された酸素をすぐに使い果たしてしまうそうです。そのため、脳の酸素消費量は全体の25%にも及ぶといわれています。

加齢とともに脳のはたらきが衰えていく理由のひとつは、体内に取り込まれる酸素の量が減少していくこと。運動習慣の有無にもよりますが、最大酸素摂取量は20代後半から徐々に低下していくと考えられています。

また、60歳を過ぎると脳自体も少しずつ萎縮していきます。年とともに脳のはたらきが衰えていくのは、ある程度仕方のないことなのです。

頭を使えば使うほど、脳内ネットワークが育つ!

加齢とともに脳のはたらきは衰えていきますが、だからといって一切の成長が見込めないかというと、決してそうではありません。年齢にかかわらず活性化させられる部分もあるのです。

それが、脳内の神経細胞であるニューロンと、その継ぎ目であるシナプス。脳内では、シナプスによって接続したニューロン同士が、電気信号をやりとりすることによって情報を伝達しています。新しいことを学習したりして脳を使うと、ニューロンをつなぐシナプスが増えて脳内のネットワークがどんどん密に。これは、ネットワークが増えるほど情報伝達のスピードは上がるので、結果的に脳のはたらきがよくなります。そしてこのネットワークは、年齢を重ねても増やし続けることができるのです。

そもそもニューロンは、人体そのものよりも長く生き延びるという超長寿の細胞。そのうえ、記憶を司る海馬では80代になってもニューロンが新生するそうです。新しく生まれたニューロンの多くは数週間で消えてしまいますが、学習によってネットワークのなかに組み込まれると、生き残ることができると考えられています。

ワーキングメモリを鍛えて脳を活性化

年齢にかかわらず、脳のはたらきをよくするためにはとにかく頭を使い続けることが大切です。とくに注目したいのが、脳の「前頭前野」という部位に一時的に記憶を保管している「ワーキングメモリ」。このワーキングメモリを鍛えることによって、脳を活性化させることができるといわれています。

そこでここからは、ワーキングメモリのトレーニング方法をご紹介します。

(1)デュアルタスクに挑戦

デュアルタスクとは、2つのことを同時に行うこと。一度に別々のことをしようとすると、脳が混乱します。その混乱を整理しようとして、ワーキングメモリが強化されるのだとか。認知症予防にも効果的といわれています。

おすすめのデュアルタスクは、運動と知的作業を組み合わせること。ウォーキングしながら計算をしたり、散歩しながらしりとりをしてみたり。有酸素運動によって脳に酸素を送りながら、頭を使うことをしてみてください。

ウォーキングが脳に与える影響については、こちらの記事でも紹介しています。
ウォーキングするだけでもOK!脳に良い運動をご紹介!

(2)読み慣れない本を音読する

音読も脳トレとしておなじみですよね。ワーキングメモリの活動を高めるためには、読み慣れた本よりも初めて読む本がいいのだそう。難しい文章でもいいようです。

(3)料理をする

ワーキングメモリは、日常生活のなかでも鍛えることができます。家事も効果的で、とくに複数の作業を順序立てて行う料理がいいのだそう。「献立を考える」「切る」「焼く・炒める」「盛り付ける」といった一連の作業を行なっている間に、脳が活性化することがわかっています。

家事と脳の活性化については、こちらの記事でも紹介しています。
主婦を見習おう!家事こそが理想的な脳トレって知っていましたか?

まとめ

年齢を重ねても、頭は使えば使うほどよくなっていきます。何より大切なのは、「年をとったから仕方がない」と諦めてしまわないこと。新しいことに挑戦したり、興味を持ったりすることによって、脳は活性化していくのです。

ワーキングメモリを鍛えるときにも、ぜひ前向きな気持ちで取り組んでみてください。

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フリーライター

牟田 悠(むた はるか)

立命館大学大学院文学部日本文学専修前期課程修了。フリーライターとして、関西圏を中心に活動中。
質のいい記事をよりスピーディーに書き上げられるよう、脳の働きや集中力に関する情報にアンテナを張っています。