夏は、蒸し暑さや熱帯夜など、寝苦しさから睡眠不足になりやすい季節。

必要な睡眠時間は人によって大きく異なりますが、通常6時間から10時間といわれています。国民生活基礎調査によると、1日の平均睡眠時間が6時間未満という人が、日本人の40~50代の男女で50%近く、60代以上でも30~40%と、日常的に睡眠時間が少ない傾向の人が多くいます。自分は特に問題ないと思っていても、本当は不足しているかもしれません。

1.睡眠不足で意識がなくなる!?

睡眠不足が続くと真っ先に影響を受けるのが「集中力」。

なかでも「マイクロスリープ」という一瞬だけ集中力が途切れる状態が起きやすくなります。これは、ほんの数秒間、意識がなくなる状態が発生するというものです。

例えば運転中や機械作業中、エスカレータの上部などでこの現象が起こると大きな事故につながりかねません。

2.なめたらいけない「睡眠負債」

睡眠不足が借金のように積み重なり、あらゆる不調を引き起こす状態のことを「睡眠負債」といいます。

睡眠負債は、仕事や家事の効率が悪くなるなど生活の質を低下させるだけでなく、命に関わるような影響があることがわかっているのです。他にも、自律神経の乱れによる食事摂取量の増加や消費エネルギーの低下による肥満や免疫力の低下、がんの発症リスクが上がるなど思わぬ病気を引き起こす恐れもあります。

睡眠負債は、休日の寝だめで解消できるものではありません。「寝る前にお風呂につかる」「寝室は暗く、涼しくする」「デジタル機器を遠ざける」など、しっかり眠れる環境を整え、日々の睡眠を確保することが暑さに負けない健康な生活を送るためには大切です。

 

3.脳と体を回復させる「深睡眠」

睡眠には大きく分けて「レム睡眠」「ノンレム睡眠」のふたつがあり、90~120分をひとつのサイクルとして交互に繰り返しています。

レム睡眠では、体は休んでいますが脳は活発に動いており、脳の情報整理を行っています。一方、ノンレム睡眠は体の疲れを回復させるための睡眠で、脳も体も深い休息をとっています。
ノンレム睡眠の中でも脳が一番リラックスした状態にある「深睡眠」になっていると、脳と体の疲れが80%は回復しているといいます。そこに大きく関係しているのが「深部体温」と「自律神経」です。

4.下がると眠くなる「深部体温」

「深部体温」は内臓などの体の内部の体温のことです。

深部体温は朝、目覚めるころから上昇し始め、日中は高く、夜にかけて低くなるという一定のリズムがあります。私たちの体には、体温が下がると眠くなる性質があり、これは脳の温度を上げることで、日中休むことなく働いた脳のオーバーヒートを防いでいます。

5.リラックスして眠りやすい状態に

「自律神経」は、臓器の働きや血圧・呼吸・代謝など、心身のすべての活動を調節しています。仕事や家事などの活動中、緊張やストレスを感じている時などに交感神経が活発になり、夜は緊張やストレスから解放され、リラックスすることで副交感神経が優位に働くようになって、人は自然と眠りやすい状態になります。

寝苦しい夜が増えるこれからの季節は、睡眠負債にならないよう日々の生活リズムや眠れる環境を整え、暑さに負けない健康な体づくりをして夏を元気に乗り越えましょう。

▼参考記事
会報誌「わかさ生活」7月号

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橋本 あかね