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日中の過ごし方が夜の眠りを左右する!?質のよい睡眠につながる習慣とは

藤田 幸恵(ふじた ゆきえ)
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前回は、眠りが浅くなるなど、年齢とともに変化する睡眠についてお伝えしました。
今回はさらに掘り下げて、質のよい睡眠をとるための対策について考えてみたいと思います。

<前回までの記事はこちら>
睡眠上手のすすめ その1:加齢とともに睡眠は変化する!年齢と眠りの不思議な関係

疲れがたまった心身を回復させ、毎朝気持ちよく目覚めるためには、質のよい睡眠をとることが重要だと考えられています。そして、睡眠の質を確保するうえで意識したいポイントのひとつが、「日中の過ごし方」

何気なく繰り返すいつもの習慣に、睡眠の質を低下させる原因が隠れているかもしれません。質のよい睡眠をサポートする日中の過ごし方について、一緒に考えてみましょう!

監修:花園大学社会福祉学部 小海宏之教授

昼寝をするなら、午後早めの時間&30分以内に

ランチを食べた後、眠気を感じて昼寝をすることはありますか?

十分な睡眠をとって昼間に眠くならないのが理想ですが、なかなかそうはいかないもの。仕事や家事に忙しく、寝る時間が遅くなってしまうこともあるでしょう。そんなときは、昼寝をとって眠気を解消するのもひとつの手です。

ただし、気持ちがいいからといつまでも寝てしまうと、夜の睡眠に影響して寝つきが悪くなることも…。昼寝をするなら、午後の早い時間で、30分以内にとどめておくのがおすすめです。

(参考:厚生労働省健康局『健康づくりのための睡眠指針 2014』

もし、短い昼寝で解消される程度ではなく、異常な強さの眠気を感じるときはご注意を。なんらかの病気が隠れている可能性もあるため、早めに病院に行き、医師に相談しましょう。

ウォーキングなどで適度にからだを動かそう

日中に適度な運動を取り入れることも、よい睡眠につながることがわかっています。

実際に、国内で日本人の高齢者を対象に行われた研究では、運動と睡眠の関連性を示したことが明らかに。研究の結果、1日30分以上の歩行を週5日以上取り入れている人、または週5日以上運動をしている人において、寝つきが悪かったり寝ている途中に目が覚めたりする人の割合が低かったとされています。

(参考:厚生労働省健康局『健康づくりのための睡眠指針 2014』

ただし、激しい運動はからだに負担をかけるため、かえって睡眠をさまたげてしまうことも。心地よいペースでできる運動メニューを、無理なく続けることがカギとなるでしょう。

過去には、「ウォーキングするだけでもOK!脳に良い運動をご紹介!」という記事も紹介しているので、ぜひこちらも参考に!

ウォーキングは正しいフォームを心がけて

上手に取り入れれば、睡眠だけでなく全身の健康維持につながるウォーキング。とはいえ、ただダラダラと歩くだけでは、思うような効果は期待できません。運動中のケガを防ぐためにも、ウォーキングをするときは次のようなポイントに注意しましょう。

  • 目線はまっすぐ前に置く。
  • 肩のチカラを抜く。
  • ひざを伸ばしてかかとから着地する。
  • ひじを少し曲げて腕を大きく振る。

足は腰から前に出すイメージで、大きく動かします。ウォーキングの前には、ふくらはぎや太もも、肩などをストレッチして、からだの準備を整えてくださいね。

(参考:国立保健医療科学院『歩く時のポイント』

休日も決まった時間に寝起きする

日中の過ごし方に加えて気をつけたいのが、休日における生活リズムの乱れ。休日はつい寝る時間が遅くなったり、朝寝坊したり、いつまでも布団のなかでゴロゴロしたりと、睡眠のリズムも乱れやすいものです。

来週は忙しくなるから、この休日にしっかり寝ておこう…そんなふうに思う方もおられるかもしれませんが、ちょっとストップ。その少しの乱れが、夜の睡眠に影響してしまう可能性があります。

この先足りなくなる睡眠を前もってためておくことができたら便利なのですが、残念ながら、いわゆる「寝だめ」はできません。お金に例えるなら、睡眠は貯金ではなく借金。睡眠時間が不足すると、どんどん負債がたまっていくイメージです。

かといって、日ごろの睡眠不足を補おうと休日に朝遅くまで寝ていると、体内時計の乱れにつながることも…。夜の寝つきが悪くなったり、翌朝にダルさを感じたりといった不調を招いてしまいます。

眠気を感じるときは、朝寝坊をするより午後の早い時間に短い昼寝をするほうが、夜の睡眠に影響しにくいでしょう。ゆっくり休んだつもりが、かえってからだが重くなった…そんなことがないよう、休日もいつもと同じ時間に寝起きして、上手にリフレッシュできるといいですね。

(参考:厚生労働省健康局『健康づくりのための睡眠指針 2014』

まとめ

長い昼寝や運動不足、休日の朝寝坊…心当たりのある習慣はありましたか?

決まった時間に運動することが難しければ、いつも自転車で行くお店まで歩く、エレベーターを使わずに階段をのぼる、ひと駅手前で降りて歩くなど、無理なくからだを動かせる方法を選ぶときっと続けやすくなるでしょう。

よい睡眠をサポートする習慣は、健康を維持するための対策ともなります。質のよい睡眠を十分にとるために、日中の過ごし方を一度見直してみてくださいね。

【監修者プロフィール】
小海 宏之 教授
花園大学 社会福祉学部 臨床心理学科
公認心理師/臨床心理士/日本老年精神医学会認定上級専門心理士/精神保健福祉士
1986年関西大学社会学部卒業、2007年関西大学大学院社会学研究科博士課程前期課程修了、藍野病院臨床心理士、花園大学社会福祉学部准教授などを経て現職。

 

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編集者・ライター

藤田 幸恵(ふじた ゆきえ)

医学書の出版社で編集者として勤務後、フリーランスの編集者・ライターに。医師をはじめとする専門家の取材や監修のもと、医療・健康・美容に関する記事を多数執筆。からだやこころの不思議について考えること、専門書や論文を読むことがとても好きです。