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「ドーパミン」を分泌させて子どものやる気を上手に引き出す!

牟田 悠(むた はるか)
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「子どもに集中力がない」「なかなかやる気を起こしてくれなくて、将来が心配」。そんな悩みをお持ちのお母さん、お父さんは少なくないのではないでしょうか?つい厳しく叱ったり口うるさくなったりしてしまいがちですが、親の思い通りには行動してくれないのが子どもの常ですよね。もしかしたら大人が思っているよりも、子どもにとって宿題や勉強へのハードルは高いのかもしれません。そこで今回の記事では、脳内物質のひとつである「ドーパミン」に焦点を当てながら、子どものやる気を引き出すコツをご紹介します。

まずはウォーミングアップ!スモールステップでハードルを下げる

子どもが勉強に取り掛かりやすくするために、まずおすすめしたいのが「スモールステップ」です。スモールステップとは、最初から「宿題を終わらせる」「予習・復習をする」といった高い目標(本題)にトライするのではなく、小さな目標をいくつも設定して成功体験を積み上げながら、少しずつやる気を引き出すようにしましょう。

まずは、勉強に取り掛かるハードルをできるだけ下げるために、下記のような軽いウォーミングアップから始めてみてください。

  • ランドセルの中のものをすべて出して、勉強に必要なものを机の上に並べる
  • その日のやることリストを作る。
  •  1分程度でできる、簡単な計算や漢字の問題を解く。

どうしても勉強を嫌がる場合は、部屋の片付けなどから始めるのもいいかもしれません。手を動かすことで、脳が活性化されるというメリットもあります。

また、スモールステップで重要なのは、ひとつ目標をクリアするたびにしっかり褒めてあげること。子どもが「認めてもらえた」と感じられるよう、達成した直後に、何をしたことがえらかったのかを具体的にほめるのがポイントです。ウォーミングアップができたら、「計算問題、全問正解できてえらいね。それじゃあ次は宿題をしようか」という流れを作ってあげてみてください。そうすることで、子どもは自然と次のステップに移ることができるはずです。

やる気を引き出す鍵はドーパミン

なぜ、子どものやる気を引き出すために褒めることが重要なのでしょうか。その理由は、褒めることによって脳内神経伝達物質のひとつである「ドーパミン」を多く分泌させることができるからです。脳内でドーパミンが分泌されるほど、人は物事に対する意欲が高まるといわれています。子どもの場合は、お母さんやお父さんに褒められると、他人に褒められたときよりもドーパミンが増加するのだそう。子どもがスモールステップをひとつ達成するたびに肯定的な言葉をかけてあげることを習慣にすると、目標をやり遂げるたびに子どもの脳内にドーパミンが分泌され、次の目標に向き合えるようになるのです。

「勉強しなさい」は逆効果!

褒めることの重要性はおわかりいただけたかと思いますが、それでも「勉強しなさい!」と叱りつけたくなることはありますよね。でもそれが、逆効果になってしまうかもしれません。

東京大学社会学研究所とベネッセ教育総合研究所が小学1年〜高校3年生までを対象に行った「子供の生活と学びに関する親子調査2015-2016」によれば、学年が上がるにつれて勉強が「嫌い」と答える子どもの割合が増えていきます。しかし、1年前は勉強嫌いだったのに、翌年、勉強好きに変わった子どもがどの学年にも10%前後はいたのだそう。

勉強が「嫌いから好き」になった子どもたちの多くは、勉強する理由として、「新しいことを知るのがうれしいから」と回答しています。つまり、自分の好奇心や関心といった内発的動機で勉強しているのですが、勉強が「嫌いなまま」の子どもは、この内発的動機が弱いようです。

「先生や親に叱られたくないから」という、外発的な動機付けで勉強している子どもの比率も見てみましょう。小学5〜6年生では、勉強が「嫌いから好き」になった子どもも「嫌いなまま」の子どもも約51%で、大きな違いは見られません。しかし中学生、高校生になると、勉強が「嫌いから好き」になった子どもよりも「嫌いなまま」の子どもの方が10%近くも多くなっています。

やる気を出させるための方法として、「勉強しなさい」と口うるさく叱るのはかえってマイナスになってしまう可能性が高いといっていいでしょう。

まとめ

子どもの好奇心が勉強に結びついて、親が口を出さなくても自分から宿題をするようになってくれるとうれしいですよね。焦らずに子どもの様子を見ながら、学ぶ力や何かに集中して取り組む力を少しずつ育んでいけるといいのではないでしょうか。コツコツ積み重ねる習慣がつけば、長期休暇中の宿題ももう怖くありませんね!

また、『あたまナビ』では脳に良い成分について詳しくご紹介しています。人は年齢によって摂るべき成分も変わっていくので、正しく理解して自分に合った成分を摂取するようにしましょう!

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フリーライター

牟田 悠(むた はるか)

立命館大学大学院文学部日本文学専修前期課程修了。フリーライターとして、関西圏を中心に活動中。
質のいい記事をよりスピーディーに書き上げられるよう、脳の働きや集中力に関する情報にアンテナを張っています。