不慣れな動作が脳トレに!?両脳をバランスよく使う
みなさん、こんにちは。
私たちの多くが慣れて楽な生活習慣、動作をしていると思います。新しい電化製品を使いこなすこと、新しいことや仕事の手順を覚えたりすること、『慣れない、めんどうくさい、理解できない』と避けたり、尻込みする人は少なくないと思います。新しいことを頭に入れ、定着させるには時間と根気がいります。しかし、慣れていないことに挑戦する、それこそが脳トレーニングになるのだそうです。なぜでしょうか?今回は、手に特化した脳トレをご紹介します。
左脳と右脳の役割とは
左脳とは、日常的な行動のコントロール(制御)、慣れた刺激に特化しています。よって私たちは食事、仕事といった日常的なタスク(課題)は右目を使って、右手も使うのが多いことから右利きの人が多いようです。また左脳は細かい点、刺激を把握する能力にも長けています。一方で右脳は、脅威、危険予知など非日常、とっさの状況に反応します。また全体を把握する機能に特化しているという特徴があります。
利き手で行う日常生活は慣れているので便利ですが、慣れているという点が必ずしも良いとは限らないようです。
2.利き手を使わない動作のメリット
実際の動作、判断が行われる時に、右脳、左脳でネットワークが構築されます。脳には、前頭葉(思考、判断)、頭頂葉(感覚情報の統合、空間把握)、側頭葉(聴覚、嗅覚、言語の理解)、後頭葉(視覚情報の処理)があり、見ながら考えながら手を使うことは、この全ての脳の部位を使うことになります。
(詳しい脳の構造についてはこちら→記憶をつかさどる司令塔『脳』 脳を楽しく学ぼう!)。
例えば、モノを取りたいと利き手の右手を動かす時、脳内では、以下のように指令がめぐります…
① 左脳が前頭葉(思考、判断)に指令を出す→②左脳の運動分野に指令が届く(動作、行動)→③またモノをつかむ場合は、頭頂葉に(視覚的空間処理)に指令が届く
このように目も使いながら手を動かすということは、脳にある前後の部位(前頭葉、後頭葉、頭頂葉など)に指令が巡ることです。しかし私たちには非常に便利な利き手があり、ついつい慣れたやり方を無意識に選択してしまいます。これは一方の手だけを使っている=一方の脳だけをよく使っているともいえます。慣れない作業は頭の中で試行錯誤が「ああでもない」「こうでもない」と繰り返され、新しいネットワーク、回路が生み出されていくそうです。めんどくさいと感じることは、脳が苦手であること、つまり普段は活躍していない分野があるということで、左右ある脳をバランスよく使えていないということです。
左右の脳をバランスよく使うためには、十分に使えていない一方の脳の中にも新しい指令ネットワークを構築させることが良いそうです。利き手ではない方の手での作業は、慣れないことですが、反対の脳内にも同様のネットワークを作ろうと、脳内の様々な部分に指令がめぐります。これが脳全体の活性化につながり左脳と右脳をバランスよく使えるようになり、脳の可能性を目覚めさせるようです。では具体的にはどうすればいいでしょうか?
3.ドリルでもないゲームでもない脳トレ=家事
さて当サイトでも昨年ご紹介したように料理や家事は立派な脳トレです。その家事を利き手を使わないで挑戦するというのはどうでしょうか。さらに仕事でいう締め切りのような時間の概念をつけるとやる気と集中力が増すようです。脳内の海馬が記憶しようと意識を深め集中しようと動きます。
例えば…
・毎日10分間、利き手ではない手で、書類の山を仕分ける(判断のトレーニング)
・洗濯機を回している間だけは、利き手を使わない(両脳を覚醒させる)
・モップ、雑巾絞り、皿を持ち上げる、新聞をたたむ、広げる、窓を開ける
4. 食事に脳トレの要素を入れてみる
みなさんは、食事を利き手を使わないで食べることはありますか?特にお箸は利き手でも上手に食べるのは難しいですね。さらに利き手でない手ではこぼしてしまいそうです。前述のとおり、手の作業は脳の様々な部位を使います。さらにそれが利き手を使わない動作は、脳の使っていない分野を覚醒させるとお伝えしました。利き手の反対の手で、箸を使うことはハードルが高いのであれば、スプーン、フォークで食べてみる、みかんの皮をむくといった挑戦もよいかもしれません。失敗することは、悪いことではありません。何が悪かったのかと脳が振り返り、成功への方法を模索するのが、脳にとっては、栄養となるようです。家でできる自分の脳への挑戦を楽しんでやってみてください。
4.なぜ不慣れは、めんどうで疲れるのか?なぜあきらめるのか?
料理は献立、買い物、調理と作戦と実行が伴う高度な家事と思います。しかし、めんどうくさい後片付けを翌日に回す方はいませんか?食事は作ったことに満足してゴールだと思っていませんか?実はこれは途中で放り投げても平気という良くない癖を脳につけてしまうそうです。最後まで一連の作業をかたづけて、完了させるという達成感、快感を脳に与えると習慣化するそうです。
慣れないことに奮闘している時に、前頭葉(思考をつかさどる)では『努力の回路』がうまれるようです。これは脳のエネルギーを大量に消費するそうで、これが習慣になるのを阻止するようです。ここで投げ出さずに続けるには、「今日はこれくらいできた、明日もまたやればいいさ、今日はうまくいかなかったとけど、続けることが大切だから」と自分の最善をほめると良いそうです。トレーニングというと努力、根性、根気といった長時間の激しいイメージの響きですが、大したことではないと身構えずに挑戦するのが、習慣化するコツだそうです。今回のお伝えした以下のポイントで、毎日の生活で脳を活性化していただければと思います。
① 利き手ではない手作業が脳を活性化
② 作業には時間を設けて集中させる
③ 一連の作業は最後まで 脳に達成感を与える
④ 自分をほめる 失敗は悪いことではない
⑤ 身構えずに、挑戦を楽しむ
まとめ 利き手のトリビア
ライターの私は右利きです。右利きについて調べていく中で、興味深いトリビアを見つけたので、ここでシェアさせていただきます。脊椎動物であれば、左脳が日常的な行動を制御しているので、体の右側を使うようです。生物にとって日常での行動で摂食行動です。それゆえ、魚類、両生類、ウズラ、ハト、ニワトリでは体の右側にあるもの捕食する傾向があるようです。哺乳類でいえばザトウクジラは右顎付近に傷が多いことから摂食活動では右目にあるものをとらえる傾向があるという研究結果があるようです。
ちなみにカンガルー、ワラビーの種類の中には、ほぼどんな場合にでも左の前脚を使う種類が(アカカンガルー、ハイイロカンガルー)いるようです。理由は不明とのことですが、これは木の上で暮らしていたカンガルーの祖先が右手で木の枝をつかんでいたからではないだろうか推測されています。さてカンガルーは左パンチが得意なのでしょうか。
脳って面白いですね。
次回もあかるく、たのしく、まえむきな記事を配信してまいります!
<参考>
・『右脳の強化書』左手をもっと使えば弱点が逆転できる 著:加藤俊徳
・カンガルーは左利き、有袋類の利き手研究 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/a/062100011/?ST=m_news
・『苦手』は、脳の使い方であっという間に克服できる https://www.google.com/amp/s/www.businessinsider.jp/amp/post-34578
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