• あたまナビ
  • 65歳以上の5人に1人は認知症!?今からの予防が正解

65歳以上の5人に1人は認知症!?今からの予防が正解

田中 由香里(たなか ゆかり)
ありがとうと思った人の数22

超高齢化社会が進む中、団塊世代のすべての人が75歳以上の後期高齢者に達する2025年を皮切りに、日本は「認知症社会」へと突入するといわれています。
厚生労働省は、認知症の人が2025年には、最大730万人にのぼると発表していますが、これは65歳以上の5人に1人にあたり、深刻な状況であることは間違いありません。この状況に備えて私たちがやるべきことはなんでしょうか?
今回は、認知症予防のポイントをお伝えします。

認知症は高齢者だけの問題ではない

65歳以上の5人に1人が認知症の時代がもうすぐそこに迫っています。
5人に1人ということは、自分の家族や、さらには自分自身が認知症になる可能性も十分にあります。
超高齢社会にとって認知症は身近で重大な問題なのです。
しかし、認知症は予防できない病気ではありません
今日から対策を始めることが大切です。

もの忘れと認知症の違いは?

テレビに出ている芸能人の顔はわかるのに、名前が思い出せない!
このように何かを忘れてしまうことは、年齢を問わず起きることです。
加齢とともに増加するもの忘れに不安を感じる方も多いと思いますが、認知症ともの忘れは違います。
「昨夜の夕飯何食べたかな?食べたもの全ては思い出せないなぁ。」
でもヒントがあれば思い出せる。これは、“もの忘れ”です。
一方、ごはんを食べたこと自体を忘れる、孫の顔を見て「どちらのお子さんですか?」と言ってしまうような場合は、認知症の兆候かもしれません。
“もの忘れ”と“認知症”の大きな違いは、体験の一部を忘れているか、それとも全てを忘れているかです。
・もの忘れ・・・体験の一部を忘れている
・認知症・・・体験の全てを忘れてしまっている

多くはアルツハイマー型認知症

認知症として、最もよく知られているのがアルツハイマー型認知症です。
認知症患者の約6割から7割はアルツハイマー型認知症が占めています。


昔に比べて、アルツハイマー型認知症が急増している原因としては、高齢化が進んだことや生活習慣の変化が関係しているようです。さらに、近年では脳神経外科以外にも診療内科や認知症外来・もの忘れ外来などの窓口が増え、診断がきちんとできるようになったことも要因と考えられています。

35年かけて進行する!だから今から対策

アルツハイマー型認知症の特徴として、最近の出来事を忘れてしまうという症状が見られます。
これは記憶を司っている海馬と呼ばれる部分から脳の萎縮が始まるためです。
まだ全てが解明されたわけではありませんが、長い時間をかけて脳内にゴミ(アミロイドβやタウたんぱくなどの異常なたんぱく質)がゆっくり溜まっていくことで神経細胞を障害し、脳が委縮することがアルツハイマー型認知症の原因の1つとして考えられています。
そして、アルツハイマー型認知症は、症状が現れるまでに25年、全体を通して35年ほどかけてゆっくりと進行する病気だという事がわかってきました。
まだ若いから大丈夫ではなく、今から対策が必要な病気なのです。

予防のために取り入れたい生活習慣

認知症の予防対策を始めるのに早すぎる、遅すぎることはありません!
今すぐ脳によい習慣を心掛け予防を意識しましょう!

・適切な質のよい睡眠をとる
睡眠不足は、アルツハイマー型認知症のリスクを高めることがわかっています。
これはアルツハイマー型認知症の原因の1つ脳のゴミが寝ている間に排出されるため、睡眠不足だと排出の機会が減るからではないかと考えられます。
個人差はありますが、6時間から8時間程度の睡眠をとれるように心がけましょう。
また、昼寝を20分程度とることが脳のリフレッシュや認知症予防に良いとされています。

・運動
体を動かすことは血流を改善し脳に酸素と栄養をしっかり届けることにつながります。
ハードな運動をする必要はありません。ウォーキングやヨガの他、景色を楽しめる登山、全身運動の水泳もおすすめです。自分のペースで楽しみながら続けましょう。

・人とのコミュニケーション
家族と話す、友達に電話をかける。電話だけよりもZoomなどを使って顔を見て話せば、より脳を刺激できます。
社会との接点を持つことが、脳の健康には大切だといわれています。

・バランスのよい食事
栄養バランスは脳の健康にも大切です。魚や肉、野菜や果物などバランス良く摂りましょう。

・脳に役立つ健康成分
脳の健康に役立つとして注目されている成分がたくさんあります。
こういった成分を食事やサプリメントで意識して摂り入れるのもおすすめです。
ロスマリン酸イチョウ葉エキスホスファチジルセリンレシチンフェニルアラニン

まとめ

いかがでしたか?
認知症は、日頃の生活習慣を見直すことで予防が可能な病気です。
まだまだ大丈夫ではなく、今から生活習慣を見直し脳の健康について考えてくださいね。


▼参考記事
『若々』
2021年1月号
2021年3月号(3月2日発売予定)https://books.wakasa.jp/shop/g/g711000501-00/

認知症ネット
https://info.ninchisho.net/mci/k130

睡眠中には脳内から“毒素”が洗い流される:米研究チームがメカニズムを解明、アルツハイマー病の治療に光https://wired.jp/2020/01/14/scientists-now-know-how-sleep-cleans-toxins-from-the-brain/

睡眠不足で認知症のリスクが高まる!予防に必要な睡眠時間は?
https://epark.jp/medicalook/lack-of-sleep-dementia/

この記事が役に立った・
ためになったと思った方は、
ありがとうボタンをクリック!

ありがとう ありがとう

ありがとうと思った人の数22

田中 由香里(たなか ゆかり)