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人生の達人!シニア世代が読む川柳「家族への思い」

油井 康子(あぶらい やすこ)
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当連載では、テーマに沿った川柳をお寄せいただき、編集部が「これは!」と思った句をご紹介します。今回も心温まる作品や、思わず唸ってしまう力作が勢ぞろいしました。五・七・五のリズムで気軽に作れる川柳は、近年さまざまなコンテストが開催され、ますます人気。皆さんはどの句がお好きですか?

今回のテーマ「家族への思い」

子どもや孫、夫、妻、両親…。日々生活を共にしている家族に対する想いを口にするのは少々気恥ずかしいものです。離れて暮らす家族になかなか連絡できずにいる方もいらっしゃるかもしれません。でも軽いリズムの川柳なら、さりげなく日頃から思っていることが伝えられそうです。家族への思いが詰まった一句、あなたの気持ちに近いのはどれでしょうか?

作者の声:メールも手紙も返事が来ず、たまに連絡があるかと思ったら、「お金がない」など、困っているとき。放ったらかしにされていると思うと腹も立つけれど、何も音沙汰がないのは、問題なく過ごせているということなのでしょう。

【編集部より】
思わず考えさせられる一句です。ふだんはメールも手紙もなく、たまにある連絡は困ったことがあるときとのこと。「さみしい」という気持ちがある一方で、「無事なのね」と前向きに解釈する作者の方のお気持ちの切なさと芯の強さを感じました。ご家族の健康を思いつつ、作者の方も楽しみの多い日々を送っていただきたいと、編集部一同は心より願うばかりです!

作者の声:子供達がそれぞれに家庭を持つようになり、孫もいます。いつも明るく、たのもしく感じます。

【編集部より】
作者の方を囲んで、お子さんやお孫さんが賑やかに集まる様子が目に浮かびました!お子様方は皆さん明るく、笑いの絶えないご家庭を築いておられるのですね。親である作者の方のことを大切に思われて、たびたび遊びに行かれているのではないかと想像します。これからのお孫さんの成長も楽しみですね。いつまでも仲良く元気でお過ごしください♪

作者の声:実家の母に会う機会がなかなかないのですが、先日、特に連絡もせずいきなり家を訪ねたら、とてもかわいい笑顔で迎えてくれたんです。そんな笑顔が見られて、すごくホッとした気持ちになったので、そのときのことを詠みました。

【編集部より】
普段は離れて暮らしていてなかなか会えない状況であっても、お互いを思いやり、心がしっかり繋がっているのが伝わってきて、ホロリとさせられました。予想もしていなかったタイミングでお子様に会えたお母様の嬉しさもひとしおだったかと思います。陽だまりのような明るく優しい笑顔に、作者の方の心も癒されたことでしょう。

作者の声:お互いの安否や、元気でいることを確認するため、近くに住む娘と毎朝メール交換や電話をすることが習慣になっています。

【編集部より】
こちらも離れて暮らしていらっしゃる親子についての一句ですが、親の視点で詠まれています。短いやりとりであっても、毎日の積み重ねによって絆が深まっているのではないでしょうか。一日のはじまりに「元気かい?」と爽やかにやりとりされている様子が微笑ましいですね。娘さんの優しさや気遣いも感じられる素敵な一句でした。

作者の声:毎日元気で出かけられることは、家族も「安心」と喜んでくれますし、自分も幸せです。

【編集部より】
毎日出かける用事があって、ご家族の皆さんも気持ちよく送り出してくれるのですね。何気ないおでかけの際も、ご自身の健やかさや家族のことを思って幸せを噛みしめられる作者の方の心の持ちように、編集部一同も幸せを分けてもらった気がしました。いつまでもお元気でお出かけくださいね!

家族に対する感謝の気持ちや葛藤が垣間見える力作ぞろいでした。皆さんは、家族に感謝の気持ちや、自分の本当の想いを伝える機会はあるでしょうか?一番身近な関係だからこそ、うまくいかなかったり、感謝の気持ちを忘れてしまいがちになったりするのかもしれませんね。「最近会っていない家族に連絡してみようかな」「久しぶりにゆっくり話してみよう」など、家族について考えるきっかけとなれば幸いです。川柳をお寄せいただいた皆様、本当にありがとうございました!

――次回のテーマは「ついうっかり!最近の失敗」です。どうぞお楽しみに!

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フリーライター

油井 康子(あぶらい やすこ)

大阪生まれ、京都郊外在住。京都の大学を卒業後、会社員などを経て2012年頃よりフリーライターとして活動。自宅で常に数本の原稿を並行して執筆しているため、仕事部屋や頭の中の整理整頓術を日々模索しています。