人との豊かな繋がりを築く~仲人・橋本さんが考える人間関係のコツ~
4月に記事が公開された『あたまナビ』主催の座談会で、驚きのエピソードを披露してくださった橋本さん。70歳にして結婚相談所を1人で立ち上げ、多くの男女の幸せをサポートするほか、プライベートでも家族や友人との豊かな人間関係を築いておられます。そのパワフルな生き方について、改めてお聞きすることにしました。
今回のテーマは「人間関係が上手くいくコツ」。第一印象をよくするための心がけや、話題づくりのコツ、豊かな人間関係の築き方まで、たっぷりと聞かせていただきました!
何事も最初が肝心!第一印象アップのコツ
ー前回の座談会やインタビューでは、仲人として活躍されているお話や、ご家族とのエピソードなどが印象に残っています。今回は、橋本さん流の人間関係の築き方について、じっくりお話をお伺いしたいと思っています。どうぞよろしくお願いします!
こちらこそ、よろしくお願いします。
ー結婚相談所の仲人をされているそうですが、結婚相談所ってどんなふうに出会って結婚に至るのでしょう。
私がやっている結婚相談所の場合は、まず会員の方がご自身でデータベースの中からお会いしたいと思われる相手を探されて、双方がOKであればお見合いとなります。お見合いで相手とお話して、2人とも気に入ったら交際に進み、何度かお会いして結婚したいという合意があれば成婚、という流れになりますね。
ーなるほど。お見合いというと、初めて会う相手で緊張しそうです。会員の方に何かアドバイスされることはあるのでしょうか。
私がいつも会員の方にお伝えするのは、とにかく笑顔で、姿勢よくということ。基本的なことのようですが、意外とできない方も多いですね。「機嫌が悪いのかな」「ちょっと怖そうだな」「だらしないな」と最初に思われてしまうと、そこから先はなかなかうまくいかないんですよ。話が弾まなかった、あまり話してくれなかった…とがっかりして帰ってこられた方は、だいたいご自身の表情が固かった…ということが多くて。でも、それは自分で招いた結果なんですね。「相手の話を何でも聞きたい!」ということを、最初に態度で表すことが大切なんです。
ーちょっとしたことが、第一印象を左右するのですね!
そうなんです。相手の心が上を向くか、下を向くか、それは自分次第なんですよ。相手のせいにするのはよくないです。
ーなるほど!とはいえ、緊張している時に笑顔になるのはなかなか難しいです。コツはありますか?
日頃からエクササイズをするなどして、表情筋を柔らかく保つこと。笑っているつもりでも、緊張しているとちょっと怒ったように見えることもありますので、鏡を見ながら意識して訓練していただきたいですね。
ーなるほど。日頃から意識しておくことが大切なのですね。初対面の相手と会話が続かないことが心配という方も多いと思います。何かいい方法はありますか?
「木戸に立てかけし衣食住」という合言葉のようなものがありますので、覚えておくと便利ですよ。話題となる言葉の頭文字を取ってあるんです。木=気候、戸=道楽や趣味、に=ニュース、立=旅、て=天気、か=家族、け=健康、し=仕事、衣食住はそのままの意味ですね。どんな話をするか迷った時、思い出してみるといいと思います。
ーお見合いには、人間関係のヒントがたくさん隠れていますね!普段のコミュニケーションにも活用できそうです。
子育てにも有効!?上手な人付き合いのポイント
ーお仕事上の人間関係だけではなく、お孫さんや息子さんと毎日一緒に過ごしていたり、お友達とのお付き合いもしっかりされているそうですね。上手に付き合うコツはありますか。
プラス思考をベースにして、相手が嫌がるようなネガティブなことは言わないようにしています。逆に、自分のことはマイナスから言います。自分をよく見せてばかりだと、相手にしんどい思いをさせてしまいます。自分をさらけ出して、失敗したことも積極的に言いますね。
ー相手のことはプラスに、自分のことはマイナスに!素敵な言葉ですね。実は、失敗をさらけ出すのが恥ずかしかったり、いい人に思われたくて見栄をはったりしてしまうんです。
自分から心を開いたほうが、相手にも心を許してもらいやすいものですよ。親しみやすい雰囲気を作ったほうが、コミュニケーションが取りやすいです。
ーなるほど、勇気づけられました。ちょっと頑張ってみます(笑)。ところで、お孫さんは中学生と高校生の男の子だそうですが、難しい年頃かと思います。つい怒ってしまう、なんてことはないのでしょうか。
中学生の孫は反抗期ですが、先走って何か言うと「わかってるよ!」と返ってくることもあります。成長してきた証拠ですね。ただ、子育ての時も、孫育ての時も、あまりうるさく言うことはなかったです。
ーついつい、横から「早くしなさい」などと言ってしまいがちです!
「早くしなさい」というのは、親の都合であることが多いですよね。子どもを信じて、自分で考えさせることが大切だと思います。たとえば、学校行事と習い事が重なった時、習い事を休むかどうかを親が答えを出すのではなく、「学校行事は今日だけのものだけど、習い事は来週もあるね」など、考えるきっかけを作ります。子どもが自分で考える力をつけてあげるのが、親の役目だと思うんです。
ーおっしゃるとおりですね。自分で考えたことを、お互いに尊重し会える親子関係を作りたいものです。
人と人を繋ぐ仲人の仕事を通じてわかったこと
ー橋本さんのお仕事は、結婚という一生に関わる人間関係をサポートされるものですよね。いろんな人間関係をご覧になられて、気づいたことはありますか。
人はちょっとしたことですれ違ったり、誤解したりすることが多いですね。例えば、デートしていて話が弾まず、女性が「この人、楽しくなさそうだし私に興味がないのかな」と思っていたとしても、男性側は意外と楽しんでいて、彼女に好意も持っているというような。仲人として私が相手の気持ちを確かめて、結局そのカップルはゴールインしたのですが、当時はその男性が大いに反省しておられましたね。
ー相手の気持ちって、意外とわからないものですよね。お互いのすれ違いを防ぐのも仲人のお仕事なのですね。
もちろん、相手のせいだけではなく、自分が変わらなくてはうまくいかないというケースもありますし。ただ、やはり行動する前から自分を変えるのは難しいもの。失敗したときに、その原因や改善すべきポイントをお伝えするようにしています。失敗した時こそ、自分が変われるチャンスなんですよ。
ーそれを言っていただけると、安心して失敗できる気がします(笑)。今日はいいお話をたくさん聞かせていただき、ありがとうございました!
仲人というお仕事を通して、人生に関わる出会いをサポートされている橋本さん。相手の気持ちを尊重し、自分から心を開く姿勢が、素敵な人間関係の秘訣なのかもしれません。今回も最後に、橋本さんのお話の中から今すぐ真似したい「人間関係のコツ」をピックアップしました。
橋本さん流「人間関係のコツ」大切なポイント
- 第一印象アップのコツは笑顔と姿勢。「あなたの話を聞きたい」と態度で示して
- いつでも素敵な笑顔になれるよう、日頃から表情筋のエクササイズを
- プラス思考をベースに考えて、ネガティブな表現を避ける
- 自分を積極的にさらけ出すと、相手も心を開きやすい
- 失敗したときこそ、自分の行動を振り返って改善するチャンス
結局、人間関係はちょっとした心がけ次第なのかもしれません。読者の皆さんの、豊かな人間関係づくりのヒントになれば幸いです。
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フリーライター
油井 康子(あぶらい やすこ)
大阪生まれ、京都郊外在住。京都の大学を卒業後、会社員などを経て2012年頃よりフリーライターとして活動。自宅で常に数本の原稿を並行して執筆しているため、仕事部屋や頭の中の整理整頓術を日々模索しています。